足長手長のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- 足長手長…夫婦の魔物。大雨や暴風や雷で村人たちにいじわるをしておもしろがっていた。
- お坊さん…足長手長を小さい壺に閉じ込める。
- 足長手長は大雨を降らせ続け村人を困らせていた。
- 通りがかりのお坊さんが村人たちから、わけを聞き足長手長をこらしめようとした。
- 足長手長は小さい壺に閉じ込められた。
- お坊さんは足長手長を山の明神として祀り、村は再び平和になった。
足長手長のあらすじ!
昔々、会津ではよく肥えた土地で豊かな作物が毎年よく実っていました。
ところがある年のことです。
どこからともなく、足長手長という夫婦のワニが現われました。
ワニとは魔物のことです。
夫はとても足が長く、妻はとても手長だったのです。
この夫婦は会津が気に入り、
足長は雲を集め、手長は湖から水を集め畑に降らせました。
毎日毎日、空は真っ暗で雨ばかり。
このままでは作物が腐ってしまう。
村人が困っている様子に足長手長は大喜び。
もっともっといじわるをします。
暴風や雷など村人を困らすことばかりしておもしろがる2人。
会津盆地では作物が育たなくなり、村人は死を待つばかり。
そんな会津盆地にある一人のお坊さんが訪れました。
お坊さんは村人から話を聞くと足長手長を倒しに向かいました。
お坊さんが大声をあげると足長手長が顔を出しました。
お坊さんは足長手長に対して
「さすがのお前たちでもこんな小さい壺には入ることはできないだろう」
と挑発します。
足長手長はお坊さんを嘲笑い、
「できたらお前の命を貰うぞ」
と言うと、みるみる小さくなり、壺の中に入っていきました。
二人が入るとお坊さんはいきなり壺の蓋を閉め、
法衣をちぎって壺を包みました。
そして、磐梯山の頂上に埋め、大きな石を上から載せました。
2人は中で暴れますがびくともしません。
そのうちしょんぼりしておとなしくなりました。
お坊さんは、お前たちを山の明神として祀ってやるからといい祠を立てました。
こうして会津盆地にまた太陽が顔をだし、豊かな作物が実る土地に戻りました。
このお坊さんは全国各地を旅してまわっていた弘法大師様だったのでした。
足長手長のまとめ、教訓と感想!
福島県にある磐梯山に伝わる民話です。
磐梯山は始め病悩山と呼ばれていて、足長手長が明神として祀られてから磐梯山と改められたとも言われています。
足長手長は荒ぶる自然をまるで魔物の仕業と考えた昔の人々の考えが現われていますね。
そして仏教を厚く信仰する心もよく分かります。
お坊さんの機転ってすごいね!
村が平和になってよかった。