こんにゃくえんまのサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- おばあさん…目が見えず、孫に案内をしてもらいながら毎日えんまさまのお堂にお参りしている。
- えんまさま…とってもおそろしい顔をした地獄の王さまだが、じつは優しいこころを持っている。
- あるところに、こわい顔のえんまさまを祀(まつ)ったお堂があり、ひとりのおばあさんだけがせっせとお参りをしていた。
- ある日おばあさんは、えんまさまに「私の目を見えるようにしてください」とお願いをした。
- すると、えんまさまは自分の目を片方失うかわりに、おばあさんの目を片側見えるようにしてあげた。
- おばあさんは深く感謝し、毎日えんまさまが大好きなこんにゃくをお供えするようになると、えんまさまは「こんにゃくえんま」と呼ばれ始め、お堂に沢山の人が集まった。
こんにゃくえんまのあらすじ!
むかしむかし、あるところに、“えんまさま”を祀(まつ)ったお堂がありました。
“えんまさま”というのは、閻魔大王(えんまだいおう)のことです。
閻魔大王は地獄にいるおそろしい王さま。
死んだ人間の罪をさばくことを仕事としています。
そのお堂にいるえんまさまも、それはおそろしいお顔でした。
おおきなくち。金色にひかる目。
みんな、そのお顔を見るとちぢみあがってしまいます。
ですから、えんまさまのお堂には、ほとんどの人が近寄りませんでした。
しかしたったひとりだけ、毎日かかさずお参りにくる者がいたのです。
目の見えないおばあさんが、孫に案内をしてもらって、
雨の日も風の日も、一日も欠かさずにえんまさまのもとにやってきます。
お彼岸(ひがん)のある日のこと。
いつもと変わらずにおばあさんはやってきて、言いました。
「えんまさま、えんまさま。
たったひとつだけお願いがあります。
わしの目を見えるようにしてください」
そうして何度も何度もおじぎをするのです。
えんまさまは、毎日やってきてお参りをしてくれるおばあさんの言葉を、聞き入れようと思いました。
「よし、おまえの願いをかなえよう」
おばあさんは、えんまさまの声が聞こえてびっくり。
おじぎしていた頭を思わずあげると、景色が見えるようになっていて、さらにおどろきました。
「ああ、見える、見える! 右の目が見える……」
おばあさんが泣いてよろこんでいると、孫がさけびました。
「あ! えんまさまの右目がなくなっているよ!」
おばあさんは、はっとします。
「えんまさま……! えんまさまが片目を失うかわりに、わしの目を見えるようにしてくださったのですね。ああ、申し訳ないことです……」
するとまた、えんまさまの声がしました。
「よいのじゃ。わしはここに立っているだけなのだから、目が片方でもじゅうぶんじゃ」
しかしおばあさんは、どうしても申し訳なくて、なにかお礼ができないかたずねました。
えんまさまは断りましたが、おばあさんはゆずりません。
とうとう、えんまさまはひとつ頼みごとをしました。
「こんにゃくを供(そな)えてくれるか? わしの大好物なのじゃ」
おばあさんは、はいとうなずきました。
そしてそれ以降、毎日こんにゃくを供えつづけたのです。
やがてそのことが村で評判となり、えんまさまは“こんにゃくえんま”と呼ばれるようになりました。
だんだんと、えんまさまのいるお堂には人が集まるようになり、
毎月開かれる縁日(えんにち)の日には、こんにゃくおでんのお店がならぶようになったとさ。
おしまい。
こんにゃくえんまのまとめ、教訓と感想!
えんまさまはとってもおそろしいお顔をしています。
でも、このお話であったように、人のことを思いやってくれる優しい神さまでもあるのです。
きっと見た目だけでおそろしいと判断してはいけないのですね。
さて、お話のなかに出てくるこんにゃくえんまさまのお堂は、実際にあるそうですよ。
気になったらぜひ調べてみてくださいね。
こんにゃくはぼくもだいすき!
ヘルシーだけど、おなかいっぱいになるんだ!