絵姿女房のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- 兵六…美しい奥さんが城に連れて行かれ、3年後約束通り桃を売りに城へ行く。
- 奥さん…兵六に自分の絵姿を持たせたが、それのせいで殿様の奥方にされてしまった。
- 殿様…ナルシストでお調子者。兵六の奥さんを無理やり自分の奥方にしてしまう。
- 兵六は毎日美しい奥さんの顔ばかり見ていて、仕事をしなかった。
- 困った奥さんが自分の絵姿を持たせたがそれが殿様の所まで飛んで行ってしまった。
- 奥さんは殿様の奥方にされてしまい、兵六は失意ながら奥さんに言われた通り桃を育てた。
- 3年後、城に桃を売りに行くと、奥さんが笑ったことに気を良くした殿様が兵六と入れ替わってしまい、2人は城で幸せに暮らした。
絵姿女房のあらすじ!
昔々、兵六という男がいた。
兵六の奥さんはたいそうな美人で、兵六は毎日奥さんの顔ばかり見て仕事をしなかった。
困り果てた奥さんは自分の姿を絵に描いて兵六に持たせた。
二人の出会いは半年前。
兵六が自分の畑を耕していた時に、美しい女が畑のそばに座っていた。
女の人は兵六に向かってにこにこ笑いかけ、
「私、あなたのところに嫁に来ました。」と言った。
兵六は喜んで喜んで。
それからというもの、兵六は四六時中、奥さんにへばりつきずっと顔を見ていた。
そこで絵姿というわけだ。
奥さんから絵姿をもらった兵六は、
ちょっと畑仕事をしては絵姿を見る、またちょっと絵姿を見ては畑仕事といった様子。
するとその時、強い風が吹いて絵姿が飛んで行ってしまった。
絵姿が飛んで行った先にはお城があり、
そこの殿様は大変なうぬぼれ屋で、自分の姿を絵に描いてはそれを見て悦に入っていた。
そんな殿様は奥さんの絵姿をみるやいなやすぐ気に入り、国中にこの絵姿の女を探してくるように命令したから困った。
国中は大混乱。
そして、ついに兵六の奥さんが見つかってしまい、奥さんはお城に連れて行かれた。
兵六に桃の種を庭に埋めるように言い残して。
兵六はすっかり力を無くし、ため息ばかり。
しかし、そのうち桃の種のことを思い出し、言われた通り庭に埋めた。
冬になってもいつになっても兵六の心には奥さんのことばかり。
そうするうちに3年が経ち、桃の木は立派に育った。
一方、お城では殿様の奥方になった奥さんは一度も笑わなかったようだ。
そして、そこに兵六が桃を売りに来た。
兵六の声を聞き、奥さんはにっこり。
喜んだ殿様は兵六を招き入れ、もう一度桃を売るように言った。
奥さんは喜んで笑うこと笑うこと。
気を良くした殿様は自分と兵六の着物を取り替えて自分が桃売りになった。
調子に乗った殿様はそのまま城の外に出ていった。
門番は桃売りが殿様だとは気付かず、殿様は城から締め出されてしまった。
奥さんと兵六はそのままお城で末永く幸せに暮らしましたとさ。
絵姿女房のまとめ、教訓と感想!
さえない男が美しく頭もいい奥さんをもらい幸せになるお話です。
お金持ちで良い暮らしができる殿様ではなくて、貧乏な兵六を選んだ奥さん。
頼りないですがどこか可愛げがある兵六と、ナルシストで横暴な殿様。
人を好きになるのはやはり中身が大事ということでしょうか。
毎日眺めるってよっぽど兵六は奥さん好きすぎるんだね。
幸せになってよかった。