おむすびころりんのサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- おじいさん…おばあさんとなかよく暮らしている。たまたま、ねずみの国へたどりついた。
- ねずみたち…歌うことがだいすきなねずみたち。おみやげにつづらをくれる。
- よくばりじいさん…おじいさんの話を盗み聞き(ぬすみぎき)して、ねずみの国へ行った。
- ある日、おじいさんはおむすびをもって山へ行った。
- おむすびを穴へ落としてしまったが、ねずみの国へたどりつき、小判(こばん)のおみやげをもらった。
- それを知ったよくばりじいさんもねずみの国へ行ったが、うまくいかなかった。
- そのころおじいさんは村人たちに小判をわけて、ねずみたちに心からのお礼を伝えた。
おむすびころりんのあらすじ!
むかしむかし、あるところに。
とても仲のよいおじいさんとおばあさんが暮らしていました。
薪(たきぎ)を取りに行くおじいさんに、
おばあさんはおむすびをもたせました。
「おなかがすいたら、食べてくださいね」
「おお。うまそうじゃ、ありがとう」
山についたおじいさんは、一生懸命(いっしょうけんめい)、
木のえだをたくさん集めます。
あっというまにお昼になり、おなかがすきました。
おじいさんは丘(おか)のうえに座って、
おばあさんのおにぎりを大切そうに食べようとしました。
「いただきます」
おじいさんがおおきくお口をあけた、そのときです。
つるっ!
なんと、おにぎりを落としてしまいました。
おにぎりは、ころころとどこまでも転がっていきます。
おじいさんはあわてて追いかけますが、おにぎりはついに、
ぽっかりあいた穴のなかへ落ちてしまいました。
穴の中はまっくら。のぞいても、なんにも見えません。
「なんてもったいない……」
おじいさんがしょんぼりとつぶやきました。
しかし、そのとき、穴のなかから楽しい音楽が聞こえはじめました。
「おむすびころりん、すっとんとん」
あまりにも楽しい歌なので、おじいさんはつい踊りだしてしまいます。
もっと続きが聴きたくなってきました。
「そうれ」
おじいさんがもうひとつおにぎりを穴へ落とすと、また楽しい歌が聞こえはじめました。
「ゆかい、ゆかい。もっともっと、歌を聴かせておくれ」
とうとうおじいさんは、最後のおむすびまで穴へ落としてしまいます。
またしばらく楽しい歌が続きましたが、やがて聞こえなくなってしまいました。
「おーい、おーい」
さみしくなって、おじいさんは穴のなかをのぞきます。
すると、すってんころりん!
そのなかへと落ちてしまいました。
おじいさんがついた先は、びっくりすることに、ねずみの国でした。
「おじいさんころりん、すっとんとん」
たくさんのねずみたちが、あの楽しい歌をうたっています。
いっぴきのねずみがおじいさんのもとへ歩みよって言いました。
「おじいさん、さきほどはおむすびをありがとうございます。よければ、おもてなしをさせてはくれませんか?」
おじいさんは立派(りっぱ)な席に案内(あんない)されました。
ねずみたちのついたおもちや、おさけをふるまわれます。
どれもとってもおいしくて、気づけば時間がすぎていました。
「ずいぶんと、おじゃましてしまったようじゃ。ありがとう。でも、そろそろ帰らないと」
おじいさんがそう言うと、ねずみたちはおみやげを用意しました。
「それでは、おおきなつづらか、ちいさなつづら。どちらかをお持ち帰りください」
おじいさんはちいさなつづらを選び、おうちへと帰りました。
おばあさんと一緒に、そのつづらを開けてびっくり。
なかには、たくさんの小判(こばん)が入っているではありませんか!
「なんとまあ、ありがたいことじゃ!」
おじいさんとおばあさんは大変よろこびました。
しかしその様子を、よくばりじいさんが窓からのぞいていたのです。
「おむすびで小判がもらえるのか! しめしめ、いいことを聞いたぞ」
よくばりじいさんは早速、山へむかいました。
そしてねずみの穴を見つけ、おむすびを投げいれます。
すぐに歌が聞こえはじめたので、がまんができずに、自分から穴へ飛びこみました。
「おい! 今おむすびをやっただろう。お礼につづらをよこせ」
「はい、ではおおきなつづらと、ちいさなつづら、どちらがよろしいですか?」
よくばりじいさんは、両方ともほしくてたまりません。
そこで、ねこのまねをしてねずみをびっくりさせた隙(すき)に、
ふたつともうばってしまうことにしました。
「にゃー!」
ねずみたちは大慌て。
たいそう怖がって、あちこちを逃げまわりました。
がっしゃん! どすん!
ねずみたちがいろんなものにぶつかるので、穴のなかは傷ついて、
そのうちまっくらになってしまいました。
「くらくてなんにも見えんぞ!」
よくばりじいさんは、つづらをさがそうとしました。
でも、なにも見えません。
しかたなく、てぶらで穴から出ることにしましたが、
やっと出られたころにはあちこちぼろぼろになってしまいました。
「うう。よくばりをするんじゃなかった」
よくばりじいさんがとぼとぼと帰りはじめたそのころ。
おじいさんとおばあさんは、村のひとたちに小判をわけていました。
「おじいさん、おばあさん、ありがとう!」
村のひとたちが嬉しそうにすると、おじいさんとおばあさんほほえみます。
「お礼なら、ねずみたちに伝えましょう」
村人たちとおじいさん、おばあさんは、たくさんのおむすびを持ってねずみの穴までいきました。
おむすびをひとつずつ穴へ落とすと、なかから楽しい歌が聞こえてきます。
「おむすびころりん、すっとんとん」
村のみんなと、ねずみたちは、それからもなかよく一緒に暮らしたそうです。
おしまい。
おむすびころりんのまとめ、教訓と感想!
おじいさんは小判をもらうことができましたが、よくばりじいさんはもらえませんでした。
なぜだと思いますか?
きっと、おじいさんは普段から、
おばあさんにちゃんと「ありがとう」と伝えたり、
一生懸命おしごとをしたり、
いいことがあればみんなでわけあったり、
まっすぐに生きているのだと思います。
そんなおじいさんだから、小判をもらうことができたのでしょうね。
よくばりじいさんのように、自分のことだけしか考えず、ねずみに怖い思いをさせたりすると、しあわせが逃げていくのではないでしょうか。
どんなおむすびが好き?
ぼくは、しゃけも、うめも、こんぶも、ぜーんぶ好きだよ!