昔話あらすじ

【貧乏神】あらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじクマ
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貧乏神のサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

貧乏神の登場人物
  • 藤兵衛(とうべえ)どん一家…とても貧乏な百姓一家。
  • 貧乏神…藤兵衛どんの家が大好き。

 

サクッとあらすじ!
  1. 貧乏な藤兵衛どんたちは、とうとう夜逃げをすることにした。どんなに一生懸命に働いても貧乏なのは、貧乏神が住み着いていたからだ。しかし、貧乏神は、藤兵衛どんたちが夜逃げをしても、一緒に付いて来るという。その準備に、わらじを編んでいるところだった。藤兵衛どんと、おっかぁは、途方に暮れる。
  2. 貧乏神は、すっかり、わらじを編むのにはまってしまった。藤兵衛どんたちは貧乏神が編んだわらじを売る。飛ぶように売れたが、暮らし向きは楽にならない。そこで藤兵衛どんは、『貧乏神がわらじを編んでくれているおかげで暮らしが楽になった』と見せかけるため、貧乏神にお祝いのごちそうをふるまった。
  3. 計画は成功し、貧乏神は藤兵衛どんの家を出ていく。しかし、よほど藤兵衛どんの家が気に入ったのか、貧乏神は、その夜のうちに帰ってきてしまった。
  4. 藤兵衛どんはあきらめて、貧乏神がわらじを編めるように、今まで以上に稲作に励んだ。気がつくと、豊かな暮らしとは縁遠いものの、もう夜逃げをしなくてすむようになっていた。

貧乏神のあらすじ!

むか~し、むかし。

 

福井の三方に、ものすごく貧乏な、藤兵衛どんという百姓が住んでいました。

4人の子どもに恵まれましたが、働いても、働いても、一向に暮らしが楽になりません。

そのうち、とうとう働くのが嫌になってしまいました。

 

ある冬の日のこと。

 

お腹がすいた子どもたちは、口々に、もっとおかゆが食べたいと言います。

 

藤兵衛どんは、悲しそうにうつむいていましたが、やがて

「みんなぁ、話があるで、聞いてくれ」

と、切り出しました。

 

この冬が越せるかどうかさえ分からない状態なので、夜逃げをすることに決めたのです。

決行は、明日の早朝。

さっそく支度をして早くに寝ましたが、藤兵衛どんは、おしっこに行きたくて目が覚めてしまいました。

 

外に出ると…

 

納屋に、おじいさんが背中を向けて座っているのが見えました。

 

貧乏神です!

藤兵衛どんがどんなに一生懸命に働いても貧乏から抜け出せなかったのは、貧乏神が住み着いていたせいだったのです。

 

貧乏神は、藤兵衛どんたちがいなくなるので、自分も出かけようと、わらじを編んでおりました。

 

藤兵衛どんは、それを聞いて、大喜び。

貧乏神が出ていくなら、夜逃げをせずにすむではありませんか。

 

ところが、貧乏神は、すました顔で

「藤兵衛たちに付いて行く」

と言いました。

 

「大変だぁっ! おっかぁ、起きろ!!」

汗びっしょりで、藤兵衛どんは家の中に駆け込みました。

 

藤兵衛どんの話を聞いて、おっかぁも、びっくり仰天!

 

「ほんなら、わしら、夜逃げしても何もならんでねぇかぁ!」

と、がっくりと肩を落としました。

 

翌朝。

藤兵衛どんたちが、一向に夜逃げをしないので、貧乏神は不思議に思いました。

しかし、日にちを聞き間違えたのかと思った貧乏神は、もうひとつ、わらじを編み始めました。

 

こうして、貧乏神は、今日か、今日かと首を長くしながら、せっせとわらじを編み続けました。

そのうち、わらじ作りが面白くなってきて、いつの間にやら、軒差しに、わらじがどっさりたまりました。

 

「わらじを分けてくれ」

と村人たちがやってくると

「さぁ、どれでも好きなもの持っていきなされ」

と、貧乏神はみんなにわらじを配りました。

 

それを見た藤兵衛どんは、いいことを思いつきました。

 

「さぁ、安いよ、安いよ、安いわらじだよ。買った、買った。」

子どもたちにも手伝わせ、貧乏神が作ったわらじを、村や町で売り歩いたのです。

わらじはどこでも飛ぶように売れました。

 

しかし、それでも貧乏なまんま。

満足にご飯を食べることも出来ません。

 

「こうなったら、どうしてでも、貧乏神様に出て行ってもらうだ。」

 

藤兵衛どんは、わらじを売って得た残りのお金で、ありったけのごちそうを用意しました。

 

「わらじを編んで下さるで、この頃は、たいそう暮らしも楽になったでなぁ。」

と、おっかぁ。

「さぁ、今日は一緒に祝ってくだされ」

と、藤兵衛どん。

 

にこにこ顔の二人を見て

「そうけ、それじゃ、喜んでよばれようかね。」

と、貧乏神も嬉しそう。

 

貧乏神はすっかり酔っ払い、藤兵衛どんと一緒に、歌ったり、踊ったりしました。

 

しかし、宴がすんで外に出た貧乏神は、ため息をつきました。

 

「こない暮らし向きが良うなって…

わしゃぁ、もう、この家にはおれん。」

 

そして、藤兵衛どんの作戦通り、家から出ていってくれました。

 

ところが…

 

その日の夜中。

いつものように、かわやにやってきた藤兵衛どんは、ひょいっと納屋を見て、びっくり仰天!

いつの間に戻ってきたのか、貧乏神が、わらじを作っているではありませんか!!

 

「わしの家が、一番住みやすい、っちゅうことだな…」

藤兵衛どんは、がっくりと、ひざをつきました。

 

それからも、貧乏神は、せっせとわらじを編みました。

わらじを作るためには、わらが必要です。

藤兵衛どんは、おっかぁと二人、より一層、稲作りに精を出さなければいけなくなりました。

 

貧乏神がいる限り、裕福にはなれません。

けれども、ふと気がつくと、夜逃げをするほどの貧乏ではなくなっていましたとさ。

貧乏神のまとめ、教訓と感想!

貧乏神は、悪い神様です。

なまけることが大好きで、押入れに住み着き、取り憑いた人や、その家族を貧乏にしてしまいます。

 

見た目は、薄汚れたガリガリのおじいさん。

青冷めた肌をして、いつも悲しそうにしています。

味噌が大好きで、そのにおいをかぐために、手には、うちわを持っています。

 

妖怪ではないので、退治することは出来ません。

では、貧乏神に取り憑かれてしまったら、どうしたらいいのでしょうか?

 

新潟では、『大晦日の夜に囲炉裏で火をくべるといい』と言われています。

こうすると、貧乏神が暑がって出ていき、代わりに、暖かさを求めて福の神がやって来てくれるそうです。

 

…というのが、昔話や随筆、落語に出てくる、オーソドックスな貧乏神なのですが……

 

このお話に出てきた神様は、本当に貧乏神…なのでしょうか?

 

やせたおじいさんの姿なのは変わりありませんが、にこにこと、人懐っこく藤兵衛どんとおしゃべりし、なまけるどころか、しまいには、わらじ職人にさえなってしまいました。

 

もしかしたら、人間にもいろんな人がいるように、貧乏神も一人ではなく、いろんな貧乏神がいるのかもしれませんね。

 

だとしたら、他の貧乏神からは

「アイツは貧乏神の風上にも置けない!」

なぁんて、言われたことでしょう(笑)

あらすじクマ
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わらじを作るときの音、シャコシャコって、すごくいい音だったよ。

なまけものの貧乏神がはまってしまうほど、わらじ作りって面白いのかな?

なんだか、ボクもやってみたくなっちゃった♪

絵本おばあちゃん
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