昔話あらすじ

【ふるやのもり】昔話のあらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじウサギ
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ふるやのもりのサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

ふるやのもりの登場人物
  • おじいさん、おばあさん、孫 … 小さな農家の家に住む家族。
  • 泥棒とオオカミ…たまたま同じ日に、馬を盗みに忍び込んだ。
  • サル…動物を代表して、森に侵入してきた『ふるやのもり』の調査に出かける。

 

サクッとあらすじ!
  1. 古くて小さな家に、おじいさん、おばあさん、小さな孫が住んでいた。ここで飼われている馬を盗みたいと狙っていた泥棒とオオカミは、たまたま同じ日に家の中に忍び込んだ。
  2. 泥棒は馬小屋の梁の上で、オオカミは馬小屋のわらの中で、それぞれ、夜になって家族が寝静まるのを待っていた。しかし、孫がなかなか眠ってくれない。「この世で一番怖いものは何?」と聞く孫に、おじいさんとおばあさんは代わる代わるに答えた。「人間の中では泥棒」「獣の中ではおおかみ」「でも、もっと怖いのは『ふるやのもり』(古い家の雨漏り)。早く寝ないと今夜辺り、来るかも」泥棒もオオカミも『ふるやのもり』がなんだか分からず、自分たちより怖いものが来ると思って怖くなった。
  3. 外の雨は激しさを増し、とうとう『ふるやのもり』が来た(古い家の雨漏りが始まった)!泥棒は焦って足を滑らせ、おおかみの真上に真っ逆さま。オオカミは驚いて、しがみつく泥棒を背中に乗せ、一目散に森に逃げ帰った。
  4. 動物たちはオオカミから話を聞いて大慌て。森の中に侵入してきた『ふるやのもり』をやっつけなければいけない。物知りのサルが泥棒がかくれているうろを調査するため、中にしっぽを垂らす。と…泥棒がツタだと思って登り始めたから、さぁ、たまらない。泥棒の身体の重みに耐えかねて、とうとうサルのしっぽは切れ、サルの顔は真っ赤になってしまった。

ふるやのもりのあらすじ!

昔、ある山里に、古ぼけた小さな農家がありました。

おじいさん、おばあさん、そして小さな孫の3人家族で、とても立派な馬を飼っていました。

 

ある日、この馬を狙って、泥棒が家の中のうまやに忍び込み、柱を伝って梁に登りました。

そして、たまたま同じ日に、オオカミも馬を狙って忍び込み、わらの中に隠れました。

 

馬を挟んで、上には泥棒、下にはオオカミ。

両者はお互いの存在には全く気がつかずに、

「夜になって家の者が寝静まったら馬をとってやろう」

と待ち構えておりました。

 

ところが、その夜に限って、おばあさんがあやしても、なかなか孫が眠ろうとしません。

「ねぇ、おばあちゃん。もっと話して。

この世で一番、怖いものってなぁに?

と、孫。

 

おばあさんが

「そうさなぁ。ま、人間の中では泥棒じゃな。」

と答えると、泥棒は大喜びしました。

 

「ねぇ、おじいちゃん。けものの中では何が一番怖いの?」

「そうさなぁ。山のオオカミじゃろうのぅ」

おじいさんの答えにおばあさんも

「泥棒よりも怖いんじゃと」

と賛同したので

「そうじゃろ、そうじゃろ。この俺様より怖いヤツがいるわけがねぇ」

と、オオカミは満足しました。

 

ところがです。

「泥棒やオオカミよりも、もっと怖いのは何?」

と孫が聞くと、おばあさんがこう言ったのです。

 

「それはなぁ…『ふるやのもり』じゃよ。」

 

「そうじゃ、一番怖いのは『ふるやのもり』じゃ。うん、今夜辺り、来るかもしれんのう。」

と、おじいさん。

「だから、早く寝んとのぅ。」

と、おばあさん。

 

二人から代わる代わる言われて怖くなってしまったのは、小さな孫だけではありません。

泥棒とオオカミも、もっと強くて怖いものが来るのかと、小屋の上と下で震え上がってしまいました。

 

実は、『ふるやのもり』とは『古い家の雨漏り』のことでしたが、二人とも知らなかったのです。

 

外の雨はだんだん激しくなり、とうとう…

 

「大変じゃあ! ふるやのもりが来た!」

 

おじいさんとおばあさんが騒ぐ声を聞いて、驚いた泥棒は、ドシン!

梁の上からオオカミめがけて真っ逆さま。

 

オオカミは飛び上がり、泥棒を背中に乗せたまま、一心不乱に家を飛び出しました。

泥棒とオオカミは、お互いに相手を『ふるやのもり』だと勘違いしてしまったのです!

 

外は真っ暗、雨はざんざん降っていて、何がなんだか分かりません。

オオカミはなんとか『ふるやのもり』をふるい落とそうと、あがきながら走り続けました。

けれども、泥棒は泥棒で、「落とされたら食べられてしまう」と思い、必死にオオカミの首につかまっていました。

 

そうして、オオカミはそのまま、一晩中走り続けました。

 

やがて雨も上がり、朝になりました。

ようやく泥棒は、『ふるやのもり』がオオカミのような顔をしているのに気が付きました。

 

泥棒はちょうどよい木の枝に飛び移ると、木の穴の中に逃げ込みました。ところが木の穴は深く、泥棒は一番下まで落っこちて抜け出せなくなってしまいました。

 

一方、オオカミは、さっそく森の仲間を呼び集めました。

でも、誰も『ふるやのもり』なんて知りません。

サルも、なんのことだか分かりませんでしたが、みんなから『物知り』だと評判だったので、思わず

「そうじゃ。アイツは、ものすご~く恐ろしいやつじゃ。」

と嘘をついてしまいました。

 

「あんな恐ろしいやつがこの辺をうろうろしてたら、俺たち、安心して暮らせやしねぇ。

なんとかせにゃ、なるめぇ。」

オオカミが一生懸命に訴えたので、動物たちはみんなで『ふるやのもり』退治に出かけました。

 

オオカミと別れたところで隠れられるところと言ったら、あの木のうろしかありません。

「おめぇ、その自慢の長いしっぽで、ちょっくら中を探ってみねぇだか?」

クマに言われて、サルは長いしっぽを、こわごわ穴の中に垂らしました。

 

降りてきた長いものを、泥棒が木のツタだと思い、登ってきたから、さぁ、たまりません!

 

「キャキャキャキャ、キャキャキャ~!!」

サルは引きずり落とされたら食われてしまうと思い、渾身の力を込めてふんばりました。

 

「あともう少しで木の穴から出られる」

と泥棒が思った、その時です!

 

とうとう重みに耐えかねて、サルのしっぽは、プツン! と切れてしまいました。

 

反動で木の上から落ちてきたサルを見て、他の動物たちは慌てて逃げ出しました。

「待ってくれ~!」

サルも、地面で顔をすりむいて真っ赤にしながら、慌てて逃げ出しました。

 

かわいそうに、それ以来、サルのしっぽは短くて顔は赤くなってしまったとさ。

ふるやのもりのまとめ、教訓と感想!

これは鳥取県に伝わる昔話です。

『ふるやのもり』が始まる前までは同じですが、編集者や再話者によって、そこから先はちょっとずつストーリーが違うのが面白いです。

ぜひ色々読み比べてみてくださいね。

 

さて、『知らぬが仏』ということわざもありますが、この昔話を読むと、

「知らないって怖いなぁ」

と、つくづく痛感させられますよね。

 

『ふるやの もり』は、雨の多いこの地方の独特の言い方で、漢字にすると『古屋(ふるや)の漏(も)り』

古い家の雨漏り、という意味です。もし意味を知っていたら、泥棒もオオカミも、あんなに慌てなくてすんだでしょう。

 

それにしても、どうして雨漏りが、泥棒よりも、オオカミよりも怖いのでしょうか?

 

別に襲ってくるもんでもないし、仮に雨水が落ちてきても、下にタライなどを置いておけばいいんじゃない?

ぽつぽつ音がして、眠るには少しうるさいけど、それはそれで風情があるでしょ…

なんて、一瞬、のんきに考えてしまいましたが、調べてみた所、とんでもないことが分かりました。

 

実は昔の古い木造建築の家ばかりではなく、現代の鉄筋コンクリートの家にとっても、『雨漏り』は以下のようなさまざまな実害を及ぼしてしまうのです。

  • 天井や壁にシミが出来、壁紙がはがれやすくなってしまう。一度そうなると、大雨の度に修理が必要になる
  • カビが生え、カビを餌とするダニも集まってきて、アトピーや呼吸器疾患の原因になる
  • 木の成分を餌にキノコが生え、柱など家の土台部分に被害を及ぼし、建物がグラつく
  • 傷んでふにゃふにゃになった木材は、シロアリの大好物。断熱材や電線までシロアリに食べられてしまう
  • 雨漏りが怖いのは木造建築ばかりではなく、鉄骨もサビてボロボロになってしまう
  • 雨水がブレーカーに流れると漏電が発生し、火事になってしまう

 

修理も大変だし、老朽化した家だと、台風や地震のときに一気に崩れてしまいそうで怖いですよね。喘息持ちの方にとっては、カビやダニ、と聞いただけで身震いします。

家を売るときの資産価値も、雨漏りすると大きく暴落してしまうのだそうですよ。

 

さて、お話の方に戻りまして。

 

このあと、泥棒は一体どうなってしまったのでしょうか。

サルのしっぽが切れて、自力では、はいあがれないほどの高さから再び落ちてしまったわけですから、打ちどころが悪ければ、その時点で一巻の終わりです。

 

また、運良く打ち身程度ですみ、頑張って這い上がってくることができたとしても、それを森の動物達に発見された時点で仕返しが怖いですよね。しっぽを切られたサルや、一晩中、走り回らされたオオカミを筆頭に、フルボッコされてしまうに違いありません。

 

泥棒もオオカミも、人の家の大切な馬を盗もうとしたので、天罰が当たってしまったのでしょうね。

あらすじウサギ
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でも、おさるさんは何も悪いことはしていないのに…

自慢の長いしっぽはちょん切られちゃうし、顔は真っ赤になって戻らなくなってしまうし、とんだ災難に巻き込まれちゃったね。可哀想…

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