十六人谷のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- 弥助…木こり。美しい女に柳を切らないでと懇願される
- 15人の仲間…弥助の制止も聞かずに柳を切り、全員舌を抜かれて殺された
- 女…弥助に柳を切らないでと頼んだ
- 酔っぱらった弥助の前に女が現れ、柳の木を切らないでくれと頼んできた。
- 次の日、弥助の制止も聞かず仲間が立派な柳の木を切ってしまった。
- その晩、仲間はあの女に舌を引き抜かれて殺されてしまったが、弥助は必死に逃げ帰った。
- 50年後、弥助じいさんが舌を引き抜かれて死んでいるのが見つかった。
十六人谷のあらすじ!
弥助じいさんは自分の若い頃木こりだった話を
囲炉裏端に座ってポツリポツリと話していた。
前には美しい女が座り
弥助じいさんの話に静かに耳を傾けていた。
近所の女が弥助じいさんに昼食の差し入れに来たが、
弥助じいさんの前に座っている美しい女性の姿は見えないようだった。
そして、弥助じいさんは昔話を始めるのだった。
昔、弥助じいさんがまだ若かったころのことだ。
ある晩、蛇に食われた仲間の通夜に参列しすっかり酔っぱらっていた。
家に帰ると知らない女がいて
「明日、谷にある柳を切らないでくれ」と頼んでくる。
何度も何度も。
でも、弥助はそんなの俺に頼むなと女に背を向けて眠ってしまった。
翌朝、予定通り弥助と15人の仲間たちが仕事をするために北又谷と言われる谷に入った。
すると、そこにまた昨日の女が現れ、弥助を見て何も言わずにすっと消えた。
弥助がその女に気を取られている間に、
仲間が数百年は立っているであろう
それはそれは見事な柳の木を見つけていた。
弥助はハッとしてどうかその木は切らずにいようと仲間に頼むが、
仲間たちは何をバカなことをと、
弥助が止めるのも聞かず大喜びでその木を切ってしまった。
その晩。
小屋で弥助たちが飯を済ますと急に強い眠気に誘われた。
まるで深い闇の中に引きこまれていくような。
ふと弥助が目を覚ますと、あの女が小屋に入ってきた。
弥助は気絶してしまい、
しばらくして目を覚ますと恐ろしい光景が。
なんとあの女が仲間の口を吸い、
舌をズルズルと引きづり出しているではないか。
仲間のきこりたちは1人残らず舌を引き抜かれて死んでいた。
女の口にはべったりと血がつきポタポタとしたたり落ちている。
そのまま女は弥助に近づいてきた。
「あんたに頼めばこんなことにならずにすむと思ったのに」
口は血に染まり、目を見開いて弥助に迫ってくる。
弥助はとっさに女を斬り付け、
その隙に必死に逃げてその夜の内に村まで逃げ帰った。
それから50年たったが、
弥助はあの女の恐ろしいほどの美しさを今でも忘れることができないのだと、目の前の美しい女性に話すのでした。
そこで、弥助じいさんの昔話は終わり
じいさんの話を静かに聞いていた美しい女性はその場を去っていきました。
「おじいちゃん、御飯ですよ。」
また近所の女が飯を差し入れにやってきた。
中に入るとそこには、舌を引き抜かれた弥助じいさんの死体があった。
だがその表情はどこか恍惚として何かに話しかけようとしているようであった。
それからこの柳の木があった谷を十六人谷と呼ぶようになったそうな。
十六人谷のまとめ、教訓と感想!
日本の怪談話でもトップに入るお話です。
女の正体は実は柳の精。
木を切られた復讐で木こりの命を奪いました。
このお話からは
自然に対する畏怖の念
がわかりますね。
こ、こわ~。舌をズルズルって…。
怖すぎてトラウマになりそう…