カラスとキツネのサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- からす…飛んでいるとチーズを見つけ、ひとりじめして食べようとする。
- きつね…からすのチーズをうまいことうばってしまおうとする。
- ある日、からすが飛んでいると、ある家の窓辺にチーズを見つけた。
- からすがチーズをひとりじめしようとして森へやってくると、きつねが近寄ってきた。
- きつねの褒め言葉にからすはつい口を開いてしまい、チーズを落としてしまう。
- きつねは落ちたチーズをうばい、消えてしまった。
カラスとキツネのあらすじ!
ある日、あるところで、からすが空を飛んでいました。
「かあ、かあ」
するとからすは、ある家の窓辺にチーズが置かれているのを見つけました。
「かあ! おいしそうなチーズだなあ!」
そしてそのチーズを、ぱくり! とくわえます。
「ふふん。だれにもあげないぞう」
からすはチーズをひとりじめするつもりで、森のなかまで飛んでいきました。
たくさん飛んだので、木の上でひとやすみです。
そこに、いっぴきのきつねがやってきます。
「おやおや、まあまあ! なんて美しいとりでしょう」
きつねは、あまぁい声で、木の下からからすへ向かって言いました。
からすはきつねをじっとにらみます。
「きつねだ。だまされるもんか。どうせ、このチーズがほしくて話しかけているんだろう」
ぷいっ。
からすは、きつねのことを無視して、そっぽを向きました。
けれどきつねは、話しかけつづけます。
「その黒いぬれたような羽も、すてきです」
「するどいくちばしも、きれいです」
「なんでもつかめそうな足も、格好いいです」
からすはそっぽを向いたままですが、きつねに褒められつづけて、だんだんむずむずしてきました。
きつねはからすの様子をめざとく見て、にやりとします。
「ああ、からすさん! このうえ澄んだ声までもっていたら、この世でいちばん美しいとりはからすさんで決まりですね!」
きつねがひときわ甘い声で褒めたときです。
とうとう、からすは嬉しくなって、きつねのほうを向いてしまいました。
自分の声を聞かせて、じまんしたくなったのです。
「かあ! かあ!」
すると、ぽろり!
大きく開いたくちばしから、大事なチーズが落っこちてしまいました!
「よし、今だ!」
それを見たきつねはチーズに飛びかかり、うばいとって森の奥へと消えてしまいました。
からすは落ち込んで、しょんぼりと鳴きましたとさ。
おしまい。
カラスとキツネのまとめ、教訓と感想!
「有頂天になる」という言葉があります。よろこびに我を忘れる、などの意味を持つそうです。
このお話のからすがまさにそうではないでしょうか。
でも、わたしたち人間にもよくあることですよね。
嬉しいときは機嫌がよくなりすぎて、細かいことを気にしなくなってしまい、注意力がさんまんに……。そんなことがあるように思います。
嬉しいときも、悲しいときも、怒っているときも、楽しいときも、ちゃんと考えごとの出来る人でありたいですね。
ねえねえ、ぼくはチーズより、褒め言葉のほうがほしいかも……!?