金の斧のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- きこり…正直者。ある日、泉に自分のおのを落としてしまう。
- 泉の女神…とてもうつくしい女神。きこりが落としたおのを拾って、きこりの前にあらわれる。
- よくばりな男…きこりと女神のやりとりをこっそり見ていた。
- ある日、きこりが木を切っていると自分の鉄のおのが泉へ落ちてしまった。
- すると泉の女神があらわれて、きこりが落としたのは金のおのか銀のおのかをたずねた。
- きこりが正直にどちらでもないと答えると、女神はすべてのおのをきこりに渡した。
- それを見ていたよくばりな男が自分も金のおのをもらおうとしたが、女神によくばりを見抜かれて何ももらえなかった。
金の斧のあらすじ!
むかし、むかし。
あるところに、とてもまじめなきこりがいました。
毎日、せっせ、せっせ、と木を切っています。
ある日も、きこりは鉄(てつ)のおので木を切りたおしていました。
ところが。
すぽん!
……と、おのが手からすりぬけて、ちかくの泉に落ちてしまいました。
鉄でできた重たいおのは、どんどん水のそこへしずんでいきます。
きこりはしょんぼり。仕事ができないので、困りはててしまいました。
そのときです。
きらきら、きらきら、と水面が光りました。
そしてそこから、たいへん美しい泉の女神があらわれたのです。
女神は、きこりのほうを向いて問いかけました。
「あなたが落としたのは、金のおのですか?
それとも、銀のおのですか?」
見ると、女神の右手にはぴっかりかがやく金のおの、左手にはつやつやかがやく銀のおのが握られています。
しかしきこりは首を横にふりました。
「いいえ、どちらでもありません。ぼくが落としたのは、鉄のおのです」
きこりの答えを聞いた女神は、うれしそうにほほえみます。
「まあ。あなたは正直者ですね。ほうびに、すべてのおのをさしあげましょう」
きこりは女神から、鉄、金、銀のおのをうけとることができました。
それを見ていたよくばりな男が、自分も金のおのがほしい!とたくらみました。
ぼろぼろのおのを持ってきて、わざと泉に落とします。
ぼちゃーん!
するとまた泉が光って、女神があらわれました。
「あなたが落としたのは、金のおのですか? それとも、銀のおのですか?」
女神の問いに、男は待ってましたとばかり答えます。
「金のおの! 私が落としたのは、金のおのです!」
ところが、女神は悲しそうにためいきをつきました。
「あなたは嘘つきですね。おのはすべて、私がもらいます」
そうして、女神はよくばりな男に何もあたえることなく、泉のなかへ戻っていきました。
男はがっくりと地面にくずれおちましたとさ。
おしまい。
金の斧のまとめ、教訓と感想!
正直でいることって、とってもむずかしいことではないでしょうか?
人は、よくばりになったとき、いじわるになったとき、はずかしくなったとき、つい嘘をついてしまいそうになる……と思うのです。
その気持ちをぐっと我慢したり、まじめな気持ち・優しい気持ちを心にやどしたりして、人は正直になれるのだと思います。
そんな「正直」には、たしかに、金・銀・鉄のおのすべてと同じくらいか、それ以上の価値があるような気がします。
正直に生きていたら、いいことがあるんだねー!
うれしいなー!