昔話あらすじ

【みちびき地蔵】昔話のあらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじゾウ
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みちびき地蔵のサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

みちびき地蔵の登場人物
  • 浜吉のお母さん…手伝いに行った帰り道。みちびき地蔵に大勢の亡者が参拝しに来ているのを目撃し、明日、村に何があるのだろうと不審に思う。
  • 浜吉…まだ幼くて事態が飲み込めないが、恐怖に包まれる。
  • 浜吉のお父さん…お母さんから緊急事態を告げられるが、まるで信用しない。

 

サクッとあらすじ!
  1. 外浜まで手伝いに行った帰り道、浜吉親子は『みちびき地蔵』の前に大勢の魂が参列しているのを目撃する。『みちびき地蔵』は『亡くなる前日に魂が参拝すると、天国に連れて行ってくれる』と伝えられていた。
  2. 人が少ないこの島で、こんなに大勢の人や馬が同じ日に亡くなるなんて、一体、何が起こるというのだろう…怖くなった浜吉のお母さんはお父さんに相談するが、まるで取り合ってもらえない。
  3. 次の日は端午の節句で、大潮の日。浜辺は海藻を取る親子連れでにぎわっていた。お母さんは気乗りがしなかったが、浜吉が行きたいと言うので、仕方なく家族全員で浜辺に行った。面白いほど海藻が取れた。
  4. 突然、津波が浜を襲ってきた!浜吉親子3人はなんとか逃げることに成功したが、浜吉親子が昨日見た『みちびき地蔵』の参列者達は、ひとり残らず津波に命を奪われてしまった。

みちびき地蔵のあらすじ!

むか~し。

宮城県 気仙沼市 大島でのお話です。

 

人手の足りないこの島では、田端を耕す時などはお互いに人手を出し合い、協力して作業をしていました。

浜吉親子も、今朝早くから外浜まで手伝いに行き、今、暗い浜道を歩いて帰っている途中です。

 

「おい、浜吉。寝るんでねぇど」

お母さんに無理やり手をひかれ、幼い浜吉は、うつらうつらしながら歩いていました。

 

と…

 

突然、お母さんが、ただならぬ気配を感じて足を止めました。

 

そこは『みちびき地蔵』様の前。

『明日亡くなる人は、天国に導いてもらうために、このお地蔵様に挨拶に来る』

と伝えられていました。

 

お地蔵様の辺りを、じっと目をこらしてみると…

 

いました!

 

年若い男の亡者が一人、一心に祈りを捧げています。

(こんなに若いのに、船の事故でもあるんだべか…)

お母さんは、可哀想に思いました。

 

「あぁっ!」

お母さんは、思わず声を上げました。

男の後ろに、今度は、村で一番年老いている老婆がお祈りしに来たのです。

(この頃、具合が悪いと聞いていたが、とうとう亡くなるんだべか…)

 

ところが、その後には、幼い赤ちゃんを抱いた女性が来ました。

(お産をして、二人とも死んでしまうんだべか…)

 

しかし…

これは一体、どうしたことでしょうか。

見る間に、参拝の人数がどんどん増えて列をなしていくではありませんか。

牛や馬までいます。

 

「一体なぜ、こんなに大勢…!?」

祈り終わった亡者たちは、次々に空に昇っていきます。

 

「おっかぁ、一体、なんだべ。

あれ、何しとるんだべな?」

浜吉に聞かれ、

「おぉ、よしよし。」

と、お母さんは急いで浜吉の目を手で隠して、しっかりと胸に抱きしめました。

 

「あの人達は、明日には亡くなってしまう、可哀想な人達なんだよ。

今、お地蔵様に、こうして、ご挨拶してるんだよ」

お母さんは説明しましたが、幼い浜吉には理解できませんでした。

 

やがて、辺りは、何事もなかったかのように静まり返りました。

お母さんは心の底から恐怖を感じ、浜吉の手をしっかりと握りしめると、急いで家に帰りました。

 

そして、見たことをお父さんに報告しました。

しかし、お父さんは

「キツネにでも化かされたんだべ」

と笑って、まるで取り合ってくれませんでした。

 

次の日は、端午の節句でした。

一年中で一番、潮が引く『大潮の日』で、浜辺は海藻を拾う親子連れでにぎわっていました。

 

お母さんは乗り気ではありませんでしたが、浜吉があんまり

「浜に行きたい」

とせがむので、親子で浜辺にやってきました。

 

海藻は、面白いほど取れました。

「こんなに潮が遠くに引いたのは何十年ぶりだろう…」

と、年寄り達が話し合っていました。

いつもなら潮が満ちてくる時間になっても、どうしたことか、全く潮が満ちてきません。

 

すると、その時…

 

「あぁっ!」

「津波だぁっ!!」

「にっ、逃げろぉっ!!」

 

浜辺は、たちまち、騒然となりました。

山のように高い波が、地響きを立てながら浜に押し寄せてきたではありませんか!

 

浜吉親子は、はぐれないように気をつけながら山へ逃げました。

津波は追いかけるように、どっと押し寄せてきます。

浜吉親子3人は、しっかり抱き合ったまま、固唾を飲んで見つめていました。

 

(昨夜のことは、やっぱり本当だったんだ…!!)

 

このときの津波で、61人の人々と、牛と馬が6頭、犠牲になったそうです。

浜吉とお母さんがあの日見た亡者は、みんな、津波にさらわれて亡くなった人たちでした。

今も、このお地蔵様は『みちびき地蔵』と呼ばれ、絶やすことなく、お花やお線香などが供えられているそうです。

みちびき地蔵のまとめ、教訓と感想!

みちびき地蔵は、木で作られた3体のお地蔵様です。

1770年(江戸時代後期)に作られ、地蔵堂は昭和時代に建て替えられました。

 

『みちびき地蔵』といつから呼ばれ始めたのかは定かではありませんが、住民からは

『亡くなった魂を極楽浄土に導いてくれる』

と信仰され、上記のお話が、気仙沼市大島で語り継がれてきました。

 

2011年3月11日の、東日本大震災は、忘れることが出来ません。

それまで起こった地震の中で最大の規模で、気仙沼市では、行方不明者も合わせると、なんと1,357人もの尊い命が犠牲になってしまいました。

このお話を見た時、そのことが思い出され、本当に怖くて鳥肌が立ちました。

 

このときの津波で、地蔵堂は全壊し、みちびき地蔵も流されてどこかへ行ってしまいました。

気仙沼大島観光協会は、地蔵堂を再建しようと、この民話の絵本を出版しました。

 

東日本大震災の翌年の2012年。

東北生活文化大学で彫刻を学んでいた滝田 栄さん(大島出身の男子大学生)が心を込めて、木製のみちびき地蔵3体と、石仏6体を掘り上げ、募金活動も積極的に行って、地蔵堂を再建、無事に安置することが出来ました。

 

場所は、気仙沼市後九条254-12。

気仙沼駅から車で10分行った所にあります。

 

そして、2013年7月には、なんと、行方不明になっていたみちびき地蔵3体も発見されました!

 

こうして、みちびき地蔵は、今でも、滝田さんが彫刻したお地蔵様と一緒に、死者の魂が極楽に行けるよう導いて下さっています。

 

3.11の犠牲者の方々のご供養をするため、そして、あの日を忘れないようにするため、一般参賀が可能になっています(事前予約が必要です)。また、座談会、写仏会、供養祭なども積極的にとり行われているようですよ。

 

地震も津波も、いつ起こるか誰にも分からないので、本当に怖いですよね。

この民話や、3.11の震災から、皆さんはどのようなことを学びましたか?

 

くしくも、9月1日は『防災の日』でしたね。

私の家では、防災セットに入っている缶詰の消費期限を調べて消費期限が近い缶詰を食べたり、家族みんなの避難経路を確認しあったりしましたよ。

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ボクは、たとえ前の日にケンカしてても、「おはよう」とか「こんにちは」とかの挨拶は、笑顔でするようにしているよ。

何かあったときに、後悔したくないもんね。

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