昔話あらすじ

【人形峠】昔話のあらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじウサギ
あらすじウサギ

人形峠のサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

人形峠の登場人物
  • お侍さん…家来たちに「怖いから帰ろう」と言われたが言うことを聞かず、あわや殺されそうになる。
  • 商人…侍と合流するが、化け物に殺されてしまう。
  • 若い女性とお坊様…手を組んで化け物退治する。若い女性の正体は、実は…
  • 人食い蜘蛛…峠に住んでいる化け物。

 

サクッとあらすじ!
  1. お侍さん一行は化け物が出ると噂の峠に行った。お供は怖がったが、前を商人が歩いていくのを見て、少し安心する。途中で大きな琴が置いてあり、「この峠を越えたいなら、この琴を弾け」とどこからともなく恐ろしい声が響いてきた。商人が手を差し出すと、琴の糸が手に絡まり、今度は足も絡まれて…とうとう、商人は人食い蜘蛛につかまって食べられてしまった。お侍さんたち一行はそれを見て、慌ててふもとの茶屋に逃げこんだ。そこに居たお坊さんがあんまり話を聞きたがるので、話して聞かせた。
  2. 次の日の夜。今度は、若い女性が峠に現れた。女性は、「疲れているから」「眠いから」と、なかなか蜘蛛の計画に乗ってこない。
  3. しびれを切らした蜘蛛は、琴の糸で女性を捕まえてしまった。と、そのとき、錫杖(しゃくじょう。布教や修行のためにお坊様が持っている長い杖)が蜘蛛の頭に突き刺さり、蜘蛛は息絶えた。
  4. なんと、若い女性は人形で、若い女性の声は、お坊様が出していたのだ。こうして人食い蜘蛛は、賢いお坊様によって、見事、退治されたのであった。

人形峠のあらすじ!

むか~し。

今の岡山県と鳥取県の県境(けんざかい)に、大きな峠があり、化け物が出るという噂が流れておりました。

 

ある夕暮れ時。

一人のお侍さんが、家来を引き連れてこの峠にさしかかりました。

昼間でも薄暗いこの峠は、辺り一面、なんとも不気味な気配に包まれています。

 

「殿、この峠ですよ。化け物が出て人を食い殺すと噂が立っているのは」

「別の道を参りましょう」

家来たちは怖がって言いました。

しかし、遠回りすると、10日以上も余計にかかってしまいます。

 

馬に乗っているお侍さん自身も、内心びくびくしていましたが

「どうせ、どこかの臆病者が言い出した、嘘っぱちに決まっておるわい!」

と、笑って言いました。

 

ふと前を見ると、旅の商人が歩いていました。

それを見て、お侍さんたちはちょっと安心しました。

 

しばらく行くと

「なんじゃぁ、あれは?」

と、商人が驚きの声を上げました。

なんと、大きな大きな琴が、道をふさいでいるではありませんか。

 

「こりゃぁ、商人!

この琴を弾け!

さもなくば、この峠を通すわけにはいかん!!

どこからともなく、恐ろしい声まで響いてきます。

 

商人がこわごわ琴を弾こうとすると…

 

琴の糸が、ねばねばと両手に絡みついてきたではありませんか!

 

「手がダメなら、足で弾け」

またもや、恐ろしい声が響いてきました。

 

商人が言われるがままに足を近づけると、両足までも捕らわれてしまい、商人は空中に吊るされました。

なんと、琴に化けていたのは、大きな人食い蜘蛛だったのです!

 

後ろで見ていたお侍さんは目を回し、お供の者たちは大急ぎで引き返し、ふもとの茶屋に駆け込みました。

 

「旅人が食い殺された! 我々は別の道を行くことにする!」

という家来に

「何をおっしゃいます、お侍様。わしら、このままでは安心して峠を越せません。なんとか化け物を退治して下さいな。」

と、茶屋のおばあさんは泣く泣く言いました。

が、もちろん、取り合ってもらえるはずがありません。

 

すると…

 

ちょうど茶屋にいた旅のお坊さんが、詳しく話を聞いてきました。

家来は最初、嫌がりましたが、お坊さんに丁寧に頼まれ、仕方なく話してあげることにしました。

 

次の日の夜のことです。

 

雲の切れ間から月の光が差し込むと、大きな琴のそばの岩に若い娘が座って休んでいるのが見えました。

人食い蜘蛛もそれに気が付きました。

 

「そこの娘。この峠を越えたければ、この琴を弾け」

「はい…

でも、私は今、とても疲れております。もう少し休んでから出ないと、琴は弾けません。」

「なぁにぃ?」

人食い蜘蛛は驚きましたが、

「まぁ、女の身では無理もあるまい。この峠は、相当キツイからなぁ。」

と、女の体力が戻るまで待ってあげることにしました。

 

「…さて、そろそろ琴を弾いてもらおうか?」

「なんだか、眠くなって参りました。ちょっと一眠りしとうございます。」

 

いっこうに琴を弾こうとはしない娘を見て、人食い蜘蛛は、だんだんイライラしてきました。

そして、とうとうしびれを切らし

しゅるしゅるしゅる…っ

琴の糸を蛇のように動かして、娘に襲いかかりました。

 

大きな人食い蜘蛛が、何本かの足でしっかりと娘をつかまえ、食らいつこうとした、その時です!

 

岩陰から昨日のお坊さんが飛び出してきて、持っていた錫杖(しゃくじょう)を人食い蜘蛛に向かって投げつけました。杖は見事に人食い蜘蛛の頭に突き刺さりました。

そしてとうとう、人食い蜘蛛を打ち倒すことに成功したのです!

 

娘は、きちんと着物を来ていましたが、実は、お坊さんがわらで作った人形でした。

そして娘の声は、お坊さんが一芝居打ったものでした。

 

こうして、旅人たちは安心して峠を越せるようになり、お坊さんが人形を使って平和を取り戻したことから、この峠を『人形峠』と呼ぶようになりましたとさ。

人形峠のまとめ、教訓と感想!

これは岡山県に語り継がれている昔話です。

 

でも、実は、『人形峠』は岡山県に実際に存在する有名な心霊スポットなんですよ。

 

未だに街頭がなく、夜になると真っ暗闇。

近くに鳥取トンネルがあるので、余計に不気味さを感じさせ、目撃談も多数あります。

 

こういう怖い話は、まぁ、大人になってもそうですが、子どもたちは特に、好き・嫌いがはっきり分かれます。

 

普段

「怖い話が聞きたい」

と強がって言う子どもでも、どのくらいの怖さレベルなら平気かは、実際に見たり聞いたりするまで、本人も分かりません。

 

怖いと固まってしまう子もいますので、特にアニメなどを見せる時は、必ず大人が一緒にそばで(できれば抱っこして)見てあげましょう。

そして、お子さんが『楽しくて怖い』という気持ちから『怖くて嫌だ』という気持ちに変化していないか、絶えず観察します。

お子さんが嫌な素振りを見せていたら、たとえ大人の方がお話にのめり込んで続きを見たい場合でも、アニメを見るのをやめて、別の楽しい遊びで気持ちをそらしてあげることが大切です。

 

なお、小さなお子さんや、過去に何かしらの心の傷を抱えているお子さんの中には、怖いお話と同じくらい、悲しいお話が苦手なお子さんもいます。

小学校低学年くらいまでは、お子さんに見せる前に、どんなお話か、うちの子が苦手なタイプのお話じゃないかどうか、チェックしてあげる必要があると思います。

あらすじウサギ
あらすじウサギ

はぁ…蜘蛛の目が緑色に光って、すっごく不気味で怖かったぁ(泣)

倒された蜘蛛が、シャーッと奇声を発しながら、のたうち回るシーンも、とっても気持ち悪かったし。

でも、人間をだまして食べちゃう蜘蛛を退治しちゃうなんて、このお坊さん、すごく頭がいいんだね。

絵本おばあちゃん
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