王様の耳はロバの耳のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- 王さま…ロバの耳がはえている。ぼうしでかくして、ひみつにしている。
- 床屋…王さまの髪を切るときに、ロバの耳がはえているというひみつを知る。
- ある国の王さまはぼうしの下にロバの耳がはえており、床屋は王さまの髪を切るときにそのひみつを知ってしまった。
- 床屋は王さまから「ひみつをだれにも言うな」と言われたが、がまんできず地面にあなをほりそこへ「王さまの耳はロバの耳」と叫んだ。
- ふしぎなことに、「王さまの耳はロバの耳」という言葉は草木や子どもをとおして町中に広まった。
- 王さまは怒ったが、いっそのことみんなのまえでぼうしをぬぐことにすると、とてもすっきりした気分になったのだった。
王様の耳はロバの耳のあらすじ!
むかしむかしのおはなしです。
ある国のお城に、ひとりの床屋(とこや)がまねかれました。
王さまが髪を切ってほしいそうです。
でも、王さまは床屋の目をじっと見ると言いました。
「いいか。ここで見たことは、だれにも言ってはならぬ」
床屋がふしぎに思っていると、王さまはかぶっていたぼうしをぬぎました。
すると、ぴょこん!
王さまの頭にはなんと、ロバの耳がついていました。
床屋はもうびっくり。お城をでたあと、誰かに言いたくて言いたくてたまらなくなりました。
しかし、王さまとの約束をやぶるわけにはいきません。
ひみつをかかえて苦しい床屋は、森のなかへ走って行きます。
そして深い穴をほり、そこへ叫んだのです。
「王さまの耳はー! ロバの耳―!」
何度も何度も、くりかえし叫びます。
やっと言えて満足した床屋は、帰っていきました。
ところが別の日に、羊飼いが森で葦(あし)の笛を作ると、笛から変な音がします。
王さまの耳は、ロバの耳。
王さまの耳は、ロバの耳。
それを聞いた子どもたちが、まねして口ずさみはじめました。
王さまの耳は、ロバの耳。
王さまの耳は、ロバの耳。
今度はそれが町にひろまり、おとなもみんな歌いはじめました。
王さまの耳は、ロバの耳。
王さまの耳は、ロバの耳。
その歌を聞いた王さまは、もうカンカン。
床屋を呼びつけてしかりましたが、そんなことで歌はやみません。
王さまはとってもなやみました。
うーん、うーん、となやみました。
やがて、王さまは町へ出て行きました。
そして町のひとびとの前で、えい! とぼうしをとったのです。
みんなはロバの耳を見てびっくり。
でも王さまは、ないしょにしていたことを打ち明けられて、すごくすっきりした気分です。
それから王さまは、王さまの仕事もやめました。
町のひとは、そんなすなおな王さまのことが、だいすきになりましたとさ。
めでたし、めでたし。
王様の耳はロバの耳のまとめ、教訓と感想!
このお話から読み取れることはいくつかあると思いますが、ここに2つ書いてみます。
1つめは、「ひみつをかかえるのは苦しい」ということ。
床屋は「だれにも言うな」と言われた王さまのひみつを、喋りたくて仕方なくて、穴を掘ってさけびました。
だれにも言うな、とひみつを共有することは、場合によっては相手をとてもしんどくさせてしまうお願いなのでしょうね。
2つめは、「ひみつを打ち明けると、受け入れてもらえることもある」ということです。
王さまがロバの耳を隠していたのはひょっとすると、周りの人々になんと言われるかわからなかったからではないでしょうか?
気持ちわるいなんて言われるとだれでもいやですよね。
でも、王さまがひみつを打ち明けると、みんなびっくりしながらも理解してくれたのだと思います。
まわりを信じて打ち明けてみること、打ち明けてもらったひみつには耳をかたむけること。
これらは大切なことではないかなと感じます。
ひみつは、もやもやするときもあるけど、ドキドキするときもあるよね!
ちょっぴり、ふくざつだね!