昔話あらすじ

【年神様】昔話のあらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじネコ
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年神様(としがみさま)のサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

年神様の登場人物
  • 年神様(としがみさま)…みんなに毎年一歳ずつ年齢を配るのが役目。気弱で優しい神様
  • 村外れのおじいさんとおばあさん…年を取らないよう、年神様から隠れる

 

サクッとあらすじ!
  1. 今年も年越しの晩がやってきた。年神さまは、みんなにブーブー文句を言われながらも、一つずつ年を取らせなければいけない。
  2. しかし、村外れのおじいさんとおばあさんは、竹やぶに隠れてしまう。
  3. なかなか2人を見つけられない年神さまは、雲の上から2人の『年』の札を捨ててしまう。
  4. お札はぴらぴら飛んでいき…おじいさんとおばあさんの、それぞれのおでこに、ぺったんこ。2人は年を取ってしまった。

年神様のあらすじ!

むか~し、むかし。

『年神さま(としがみさま)』という神様がおりました。

年越しに一軒一軒家を回り『年』を配るのが、年神さまの役目です。

おでこに、ぴたっと『一歳』という札を貼ると、その人が一歳年を取るのです。

 

「また今年も、年の晩が近づいてきた…」

年神さまは悲しそうにそう言って、ため息をつきました。

 

年をあげに行くと、

『いらん!いらん! 年なんか、いらんっ!』

と、口々に文句を言われてしまうのです。

優しい年神さまは、胃が痛くなってしまうほどでした。

 

村外れのおじいさんとおばあさんも、年を取りたくなくてたまりません。

「年は十分すぎるほどもらったで、もう年はいらん…

若い頃は、良かったのう。」

なんとか年を取らずにすむものか…と、2人は、毎日一生懸命、考えていました。

 

さて。

いよいよ、年越しの晩がやって来ました。

 

年神さまは仕方なく、人々に年を配る準備を始めました。

祭壇に行って、年神さまが名前を読み上げると、その人の分のお札が、ぴらぴらぴら~っと一枚ずつ飛んで、袋に入っていくのです。

 

ちょうどその頃、村外れのおじいさんとおばあさんは家を抜け出しました。

なんと、除夜の鐘が鳴って年神さまが行ってしまうまで、竹やぶに身を隠すことにしたのです!

 

「この年になって、かくれんぼの真似するとは思わんかったです♪」

と、おばあさんは楽しそう。

「そうじゃのう。遠い昔に、やったっきりじゃ。」

おじいさんも、なんだか楽しくなってきました。

 

年神さまは、ある家の中で困っていました。

「困りますよ。まだ嫁にもいっとらんのに、年ばっかり取って」

と娘さんがなげいているのです。

 

お父さんは

「どうしても、って言うんなら、わしらが代わりに年をもらおう!」

とまで言います。

 

「そうはいかぬ。年は、一人に一つずつ、と決まっておるんじゃ。」

 

年神様がみんなに年を取らせると、娘さんは

「ますます、嫁に行きにくくなる…」

と泣き出すし、お父さんは

「わしらが、こんなに頼んどるのに! あんた、それでも神様か!!」

と両腕を振り上げて怒り、年神さまは家から逃げ出しました。

 

しかし、年神さまを嫌がる人々ばかりではありませんでした。

 

ありがたく思ってくれる、老夫婦。

 

「わーい、年神さまだーい♪ 年、おくれ~♪」

と、飛び跳ねて喜ぶ子ども。

 

年を取り、立ち上がる赤ん坊もいました。

 

気が滅入っていた年神さまは嬉しくなって、少し自信をつけました。

「さぁ、残りは、村外れのじいさんと、ばあさんだけじゃ~♪」

 

しかし…

 

「困った…

年の晩に、家を空けるとは…!!」

 

さすがの年神さまも、びっくり仰天! さぁ、大変!!

除夜が鳴る前に、2人にお札を貼らないと、2人が年を取らない、ということになってしまいます。

なんとかして、お役目を果たさなければいけません!

 

年神さまは慌てて雲に乗り、2人を探し回りました。

しかし、おじいさんとおばあさんは、なかなか見つかりません。

「困ったのう。

わしは神様じゃし、誰かに頼るわけにもいかん!」

 

すっかり途方に暮れた年神さまは、とうとう、雲の上から2人のお札をこっそり捨てて、帰って行ってしまいました。

 

ぴらぴらぴら~

 

二枚のお札は飛んでいき…

 

「あれぇ?

ばあさん、何か降ってくるぞ?」

「そうですね。降ってきますね」

 

竹やぶに隠れていたおじいさんとおばあさんが、不思議そうに見上げていると

 

ぺったん!

ぺったん!

 

お札は、それぞれのおでこに、くっついてしまいました。

 

「とし…!」

「と…し…!!」

 

こうして、おじいさんとおばあさんは、やっぱり今年もひとつ、年を取ってしまったのでした。

 

さて。

除夜の鐘が鳴りました。

 

温かい家で年越しそばをすすりながら、おばあさんは、なんだか、ちょっぴり嬉しそう。

竹やぶでおじいさんとかくれんぼ出来て、若返った気分を味わえ、本当に楽しかったんですって。

微笑むおばあさんを見て、おじいさんも、楽しく年を越しました。

 

一方、年神さまは…

 

「年を捨ててしまうとは…」

ふぅ、とためいきをついておりましたとさ。

年神様のまとめ、教訓と感想!

これは、岡山県に伝わる昔話です。

 

現在では年齢は誕生日になると一つ増えますが、昔は違う計算方法をしました。

それが、この昔話のもとになっている、『数え年』の数え方です。

『数え年』の計算方法では、生まれた年を『一歳』とし、1月1日を迎えるごとに1つずつ年を取っていきます。

たとえば、大晦日(12月31日)に生まれた赤ちゃんは、もうその時点で1歳。朝が来ると2歳になる、というのですから、面白いですよね。

 

えっ、『満◎歳』という言い方が、今もあるでしょ、って?

確かに、1月1日を起点とするのは同じですね。

しかし、あちらでは、生まれた年は『0歳』とカウントするのが、『数え年』と大きく違う点です。

 

それにしても、人間って面白い生き物ですよね。

 

若いうちは

「早く大人になりたい!」

と大人になることに憧れ、出来ることが増えるたびに喜びます。

 

それなのに、40歳も半ばになってくると(早いうちは30歳くらいから)、今度は

「年老いたくない…」

と逆のことを言い出したあげく、しまいには

「誕生日が来るたびに、1歳ずつ若返っていけばいいのに…」

と、無茶なお願いまでしてしまうのですから…(笑)

 

年神さまも、たまったものじゃありませんよね。

 

どんなに逃げても、年は取ってしまうもの。

だったら、「やだやだ」なんて文句を言って年神さまを困らせたりしないで

「今年も新しい年を迎えさせてもらえるなんて。ありがたや…」

と感謝の気持ちで新年を迎えるほうが、神さまも私達も、お互いに喜んでお正月を迎えられますね。

あらすじネコ
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村外れのおじいさんとおばあさん、すっごく仲が良いね。

作戦に失敗しても、気にするどころか、笑ってお正月を迎えられるんだもん。

なんだか、ちっちゃな、いたずらっこみたいだね(笑)

絵本おばあちゃん
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