ヘンゼルとグレーテルのサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- ヘンゼル…きょうだいの兄。かしこい。
- グレーテル…きょうだいの妹。いざというとき、勇気がある。
- 父親…ヘンゼルとグレーテルのことをとても愛しているのだが……。
- 義理の母親…ヘンゼルとグレーテルをきらっている。
- 魔女…子どもを食べる悪い魔女。
- ヘンゼルとグレーテルと父親はまずしいながらもなかよく暮らしていたが、ある日義理の母親がやってきた。
- 義理の母親はきょうだいのことがきらいで、まずしさにもたえられず、きょうだいを森へ捨てに行った。
- きょうだいは色んな手をつかって帰ろうとしたが、ついに森でさまよい、お菓子の家へたどりつく。喜んだのも束の間、お菓子の家は魔女のわなだった。
- 結局、きょうだいは最後まであきらめず、魔女をたおし自分たちの家へ帰ることができた。
ヘンゼルとグレーテルのあらすじ!
あるところに、ヘンゼルとグレーテルという、兄と妹のきょうだいがいました。
ふたりはとってもなかよし。
お母さんは亡くなってしまっていて、お父さんと3人で暮らしていました。
しかし、お父さんはふたりを育てるためのお金を稼ぐのに大忙し。
家庭のために、あたらしい母親をむかえることにしました。
ところがこのあたらしい母親、もとは裕福な育ちで、この家でのまずしい暮らしが我慢できませんでした。
おまけに、ヘンゼルとグレーテルとのこともだいきらいでした。
ある日、ヘンゼルとグレーテルが眠ろうとしているとき。
部屋の外から、父親と義理の母親の声が聞こえてきました。
「じゅうぶんな食べものもなく、このままじゃ冬をこせないわ! 明日、あの子たちを森へ置き去りにしましょう!」
「何を言っているんだ、そんなことはできない!」
「いやよ、私はもう決めたの!」
ふたりがさんざん言い合っているのを聞いて、妹のグレーテルは泣き出してしまいます。
でも、兄のヘンゼルがよしよしと励ましました。
「大丈夫だよ、帰り道さえ分かればなんとかなるさ」
そしてヘンゼルは部屋を抜け出し、服のポケットに小石をできるだけたくさん詰め込みました。
翌朝、父親と義理の母親からピクニックに行こうと誘われて、ヘンゼルとグレーテルは森のなかへ連れて行かれました。
ヘンゼルは、昨夜集めた小石をこっそりと、来た道へ落としていきます。
「それじゃあ、たきぎを取ってくるわ」
森の奥までついたとき、義理の母親はそう言って父親とどこかへ行ってしまいました。
けれど、ふたりが帰ってくることはありませんでした。
夜になり、あたりはまっくら。
おおかみが鳴くこわい声もします。
でも、月の光がヘンゼルの落とした小石を照らしてくれて、きょうだいはそれをたどって家へ帰ることができました。
父親はふたりが帰って来てくれたことをたいそう喜びましたが、
義理の母親はまったく嬉しくありません。
ヘンゼルが小石を拾えないように部屋へ鍵をかけ、
翌朝また、きょうだいを森へと連れていきました。
ヘンゼルは小石が拾えなかったかわりに、パンくずを道へ落とします。
義理の母親と父親の姿が見えなくなり置き去りにされたあと、そのパンくずをたどって戻ろうとしました。
しかし、残念なことに、パンくずは鳥に食べられてしまっていたのです。
グレーテルは泣き出してしまい、ヘンゼルも落ち込みました。
それからしばらくのあいだ、きょうだいは森をさまよいつづけました。
そのときです!
ふたりの目の前に、全部おかしでできた夢のような家があらわれました。
屋根はケーキ、窓はキャンディ。壁はクッキーです。
おなかがペコペコだったふたりは飛びついて、お菓子の家を食べ始めます。
すると、中から優しそうなおばあさんが出てきました。
「おやおや、私の家を食べているのは誰だい?」
ヘンゼルとグレーテルがおばあさんに事情を話すと、おばあさんは気の毒に思って、ふたりを家の中に入れてくれました。
家の中は、外とまったく違います。うすぐらく、不気味でした。
ですがふたりは疲れきっていて、そんなことを気にしているよゆうはありませんでした。
その夜はおばあさんの家でぐっすりと眠りました。
目が覚めると、おばあさんの姿はありません。
おばあさんを探してきょうだいが家の中をうろうろしていると、宝物でいっぱいの部屋を見つけました。
金、銀、宝石でいっぱいのその部屋に見とれていたとき、後ろから声がかかります。
「何をしているんだい、お前たち」
そこには、魔女がいました。
実は、おばあさんは、お菓子の家で子どもを誘い込み、食べようとしている悪い魔女だったのです!
ヘンゼルは捕まえられて、おりに入れられてしまいました。
グレーテルは台所に連れられ、料理を作るよう命令されました。
「作った料理をヘンゼルに食べさせて、太らせるんだよ! あんながりがり、食べてもちっともおいしくない!」
グレーテルはおびえながらも料理を作りました。
そしてヘンゼルはというと、おりの中の地面にあなをほり、そこへ料理を捨てたのです。
魔女はヘンゼルが太るまで待つつもりでしたが、一向に太らないヘンゼルにとうとうしびれを切らしました。
「もういい! 太っていようがいまいが関係ない、今からお前をパイにして食ってやる!」
そしてグレーテルに詰め寄ります。
「おまえ! 生地が焼けているかどうかオーブンを見にいきなさい!」
グレーテルは、オーブンを見に行くと、そのままオーブンに閉じ込められて殺されそうな気がしていました。
なので、わざとオーブンをあつかえないふりをしました。
「どうしましょう、身長が足りなくて、オーブンの中が見えないわ……」
それを聞いた魔女がやってきます。
「何をしているんだい! ここに立って、こうしてのぞけばいいんだよ」
そうして、魔女がオーブンをのぞきこんだときです。
グレーテルは魔女のからだを思い切り押し、オーブンのなかに放り込みました!
「ぎゃああああ!」
魔女はオーブンのなかで燃えて、死んでしまいました。
グレーテルはヘンゼルを連れ出して、お菓子の家から逃げ出します。
森のなかで帰り道がわかりませんでしたが、湖の横をとおったとき白鳥が背中に乗せてくれて、
家まで帰ることができました。
久しぶりにふたりの姿を見た父親は、目にいっぱい涙を浮かべてふたりを抱きしめました。
義理の母親はあのあとすぐ実家へ帰ったこと。
父親は深く後悔して、ふたりを探しまわったが、見つけられなかったこと。
父親から話を聞いたふたりは、いとしい父親をゆるしました。
しかも、ふたりのポケットのなかには、魔女の家の宝石が入っていたのです!
きらきらとかがやくその宝石で、家族はお金も手に入れ、
すえながく幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
ヘンゼルとグレーテルのまとめ、教訓と感想!
ヘンゼルとグレーテルが何度危ない目にあっても家へ帰ることができたのは、きっと諦めなかったからです。
あの二人は、「自分たちには何もできない」と思わなかったのではないでしょうか?
つらい目にあったとき、つらい、かなしい、と思うのはふつうだと思います。
だけれどあの二人は、じゃあどうやって乗り越えよう?
というところまで考えることができたように見えます。なんだか素敵ですね。
それにしても、お菓子の家が本当にあったらいいのにな、とつい思ってしまいます。
ぼくもお菓子の家をつくりたいー!
つくったら、食べてなくなっちゃうけど……。