スーホの白い馬のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- スーホ…まじめな羊飼いの少年。
- ハルハ…スーホが助けた白く美しい馬。
- モンゴルのある村で暮らすスーホは、ある日弱っている白い子馬を拾った。
- スーホはその馬にハルハと名づけ、兄弟のようになかよく暮らした。
- しかし、腕試しに参加したレースで、ハルハを気に入った王様にハルハを奪われてしまう。
- 力尽きながら帰ってきたハルハはスーホの腕の中で死んでしまったが、スーホはハルハのなきがらで琴をつくり、大事にした。
スーホの白い馬のあらすじ!
モンゴルという国には、ゆたかな草原が広がっています。
そこに住む人々は羊や馬を飼っていました。
そのモンゴルのある村に、スーホという少年がおばあさんと二人で暮らしていました。
スーホはとてもまじめな羊飼いの少年で、きれいな歌声を持っていました。
ある夕方、スーホは雪のように白い子馬を見つけました。
しかしその子馬は弱っており、息も絶え絶えです。
「どうしたんだい、おまえ。家族がいないなら、ぼくといっしょに帰るかい」
スーホはその子馬にハルハと名づけ、一緒に暮らし始めました。
そして、スーホがていねいに世話をしたおかげで、ハルハはたくましい馬に育ちました。
スーホとハルハはどこへ行くにも一緒で、まるで兄弟のようです。
ある日のこと、競馬大会が開かれることになりました。
村のみんなが騒いでいます。
「馬の足のはやさをくらべて、
一等賞の馬の持ち主は、姫さまと結婚できるぞー!」
それを聞いて、スーホーは、大会に参加してみようと思いました。
姫さまとの結婚というより、ハルハの足がどれだけ速いか試したかったのです。
「ハルハ! いこう、一着はきっとぼくたちのものさ」
さあ、レースが始まりました。
どの馬も一気に駆け出します。
しかし、ずばぬけて速かったのは、ハルハでした。
ハルハが一等をとりました。
さて、王さまとお姫さまは、白く美しい馬の持ち主はきっと立派な男だろうと期待していました。
ところが現れたスーホを見て、王さまはぎょっとします。
「なんだ、このみすぼらしいガキは!
こんなやつに娘はやれん、馬だけ置いてさっさと出て行け!」
そうしてスーホは兵隊たちに取り囲まれ、ハルハと引き離されてしまいました。
ハルハと離ればなれになったスーホは、ずっと悲しみに暮れていました。
そんなとき、家のそとで聞き慣れた馬の鳴き声がします。
「ハルハ!」
スーホが外に出ると、そこにはハルハの姿がありました。
けれど、その背中にはたくさんの矢が刺さっていました。
王様のもとから逃げ出したハルハに、王様の命令で兵隊が矢を放ったのです。
「ハルハ、ハルハ……」
スーホは、力尽きて冷たくなってしまったハルハをつよく抱きしめました。
そののち、スーホの夢にハルハが出てきました。
夢の中でハルハが伝えてくれたことがあります。
それは、「ハルハのなきがらを使って、琴をつくりなさい」ということでした。
目が覚めたスーホはハルハのからだで琴をつくり、
その音色にのせて歌声を響かせました。
ハルハとスーホの音は、モンゴルの草原に響き渡り、羊飼いたちを癒したのでした。
おしまい。
スーホの白い馬のまとめ、教訓と感想!
大切な相手と離ればなれになるなんて、どれだけ悲しいでしょうか。
それでも、このお話は、「形を変えていっしょにいる幸せ」を教えてくれている気がします。
生身のハルハはもういなくても、琴になったハルハをスーホはずっと大事にするでしょうし、ふたりの思い出も消えることはありません。
離ればなれはとてもさみしく悲しいことですが、寂しい・悲しいと思うくらい強いきずなはきっと、その先にしあわせも与えてくれるのではないでしょうか。
いっしょにいる形が変わることを、恐れずぎることはないのかもしれません。
なかよしの家族を、いきなりうばわれるなんてどんな気持ちだろう。
あんな王様みたいな人にはなりたくないね!