美女と野獣のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- 末の娘…3姉妹の末の娘。とてもこころ優しい。
- 父親…3姉妹の父親。お金持ちだったが、ある日財を失ってしまう。
- 野獣…とある城に住んでいる、こどくな野獣。
- お金持ちの父親には欲深い長女・次女、そして心優しい末の娘がいた。
- とあることから城を訪れた父親は野獣に見つかり、命と引き換えに娘をひとり差し出すよう言われる。
- 末の娘だけが野獣の要求に応じ城にやってきて、最初はいやがっていたが、徐々に野獣に惹かれていく。そんななか父親が病気になり城を離れたが、姉たちの嫌がらせで城に帰るのが遅れてしまう。
- 孤独を感じた野獣は死にかけてしまっていたが、帰ってきた娘の愛の告白により息を吹き返し、うつくしい王子様の姿となって娘と結婚をした。
Contents
美女と野獣のあらすじ!
とあるところに、父親と、その3人の娘が暮らしていました。
父親はお金持ちで、長女と次女は欲深くわがままでした。
しかし、末の娘だけはとても心が優しい子でした。
ある日のこと、父親の持つ船が沈んでしまい、財産をすべて失ってしまいました。
家族は小さな家へ移ります。
長女と次女は毎日ぐちを言い、末の娘だけが文句を言わず家事をおこなっていました。
そんなとき、父の船が一隻見つかったという知らせが入ります。
父は港へ船の様子を見に行くついでに、なにかおみやげを持って帰ろうかと娘たちに尋ねました。
「それじゃあ、あたしはドレス!」
「あたしは宝石!」
上の姉たちはくちぐちに豪華なものをねだりました。
末の娘は、ばらを1本だけ、ほしいと口にしました。
結局、父の船はぼろぼろになっており、財産はなにひとつ取り戻せませんでした。
ながい距離を馬で走ってきた父親は、どっと疲れてしまいます。
あたりもすっかり暗くなってしまいました。
そんななか、帰り道に、立派なお城がひとつ建っています。
「ごめんください」
お城の中には誰もいませんでした。
そのかわりに、あたたかな食事や、きもちのいい着替えが置いており、父親はそこで一晩を過ごしました。
次の日、帰ろうとして庭に出ると、ばらの花がたくさん咲いていました。
「末の子の願いだけは、叶えられる……」
父親は、ばらの花がほしいと言った末の娘のために、一本持ち帰ろうとしました。
そのときです。
「おまえは俺のばらを盗もうというのか!」
庭のかげから、恐ろしい野獣が出てきました。
ライオンのような醜い顔をして、二本の足で立っています。
「もてなしてやったというのに、恩をあだで返すのだな。許さない。おまえの娘をここにひとり連れてこい」
命と引き換えに条件をだされ、家に戻った父親は泣く泣くそのことを娘たちに話しました。
長女と次女は野獣のもとへ行くのを嫌がりましたが、末の娘だけは「お城へ行きます」と言いました。
こうして、末の娘と、野獣の暮らしが始まりました。
末の娘は、もう父親には会えません。
しかし野獣は娘にとても優しく接し、乱暴なことはしませんでした。
「俺のことは醜いと思うか?」
「……ええ」
「俺と結婚はしたくないか」
「したくないわ」
最初はそう言っていた娘でしたが、次第に野獣に心が惹かれていきました。
野獣は娘のほしいものをなんでも与えてくれました。
一番ほしいものが「父親」だと知ると、父親がどうしているかを見ることのできる鏡も贈ってくれました。
しかし、ある日のこと、その鏡に父親が病気になっている姿が映ったのです。
「どうしよう、お父さんが病気なの。私、少しだけ帰りたい」
娘が野獣にお願いをすると、野獣はうなずきます。
「もちろんだ。でも君が帰ってきてくれなければ、俺はさみしくて死んでしまうだろう」
「わかったわ。1週間で帰ってくるわ」
娘は父親のもとへ会いにいき、看病をしました。
父親はすぐに元気になり、娘はとても安心をしました。
ところが、野獣のもとで幸せそうな娘を知って、長女と次女はとても妬んでいます。
娘に嫌がらせをして、野獣との仲を引き裂こうとしました。
「ねえ、私たちあなたに帰ってほしくないの。もう少しここにいてよ」
長女と次女は嘘泣きをしながらうったえて、末の娘をひきとめ、野獣のもとへ帰れないようにしました。
末の娘は断れず、そのまま何日か経ってしまいます。
ある夜、末の娘が眠ったあと、ひとつ夢を見ました。
その夢のなかでは、野獣が庭で倒れています。
「私、さみしがっているあの人に、なんて残酷なことをしてしまったの!」
娘は大慌てで野獣の城へ帰りました。
すると夢の通り、庭で野獣が倒れています。
「ごめんなさい、ごめんなさい! 私、あなたにひどいことをしてしまったわ」
娘が駆けよって野獣を抱きしめると、野獣はまぶたを開けて娘を見ました。
「君がいない孤独にたえられなくて、食事を絶って死のうとしてしまった。すまない」
娘は抱きしめる力をぎゅっと強めて言いました。
「もう二度とあなたをさみしくさせないわ。
あなたを愛しているの、あなたと結婚したい」
その瞬間、お城がまばゆい光に包まれました。
そして、娘の腕のなかには、とても美しい王子様がいました。
「きゃあ! あなたは誰、あの人はどこ?」
娘は野獣がいなくなってしまったことを悲しみ涙を流しましたが、王子は言いました。
「僕があの野獣です。魔女に呪いをかけられ、ずっとあの姿のままひとりでいたのです」
娘の真実の愛の言葉が、王子にかかっていた呪いを解いたのでした。
それからふたりは、ずっとずっと、幸せに暮らしたそうです。
めでたし、めでたし。
美女と野獣のまとめ、教訓と感想!
このお話を読んで、野獣はさみしがりだなと思いましたか?
少しそう感じたかもしれませんね。
ただ、大きなお城で、呪いにかけられたままずっとひとりきり。
ようやく穏やかに一緒に暮らせる相手が現れたと思ったら、帰ってこなくなってしまった。
そんな状況だと、孤独を我慢できなくなってしまう気持ちも想像できる気がします。
野獣に真実の愛を告げてくれる相手ができてとてもよかったです。
野獣はどうして呪いをかけられたのだろう?
きみは知ってる?