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【鶴の恩返し】あらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじネコ
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鶴の恩返しのサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

鶴の恩返しの登場人物
  • 若者…働き者で優しいが、貧しい暮らしをしている
  • 鶴(つる)…罠(わな)にかかっているところを、若者に助けてもらう
  • 呉服屋(ごふくや)の主人…織っている所を見るよう、若者をそそのかす

 

サクッとあらすじ!
  1. 若者は、罠(わな)にかかっていた鶴を助けました。それから数日後、美しい旅の娘が泊まりにやってきて、若者と娘は、めおと(夫婦)になる。
  2. 娘が美しい反物(たんもの)を織ってくれる。とても高値で売れ、少しずつ生活が楽になっていく。呉服屋の主人が来て、娘の着物が殿様の目に止まったことを告げ、夫婦なのに織っている姿を見れないなんて妙だ、と若者をそそのかす。
  3. 乗り気じゃない娘に頼んではたを織らせてみたが、どうも様子がおかしい。若者は心配になって、とうとう娘との約束を破り、はた場をのぞいてしまう。
  4. 娘の正体は、あの時助けた鶴だった。正体がバレたからには、もう一緒にいられない。娘は家を出ていってしまった。

鶴の恩返しのあらすじ!

むか~し、むかし。

山の中に、一人暮らしの若者がおりました。

働き者でしたが、貧しい暮らしをしていました。

 

ある寒い冬の日。

若者が、たきぎを背負って山から帰ろうとした時、1羽の美しい鶴を見つけました。

可哀想に、わなにかかって、もがいています。

若者は鶴を助けてあげました。

 

それから、いく日かした、ある夜のことです。

若者の家を、美しい娘が訪ねました。

 

「旅の者です。道に迷ってしまって…

どうか、ひとばん泊めてください。」

「それは大変だったろう。さぁ、どうぞ、入りなされ。」

若者は、娘に、そまつですが温かい食べ物をふるまってあげました。

 

外はいつの間にか吹雪になりました。

翌日も、その翌日も、娘は外に出られません。

 

娘は泊めてもらっているお礼に、あれこれと家事をしてくれました。

若者は、娘にずっとこの家にいてほしくなりました。

 

やがて雪がやみ、おひさまが顔を出しました。

とうとうお別れか、と若者が思っていると、娘が言いました。

「私を、お嫁にしてください…」

「…っ!

おらは、貧しい…。いい暮らしは、させられねぇ…」

「かまいません。あなたのおそばに、いたいのです。」

 

こうして2人はめおと(夫婦)になり、幸せな日々が続きました。

 

正月が近づいたある日、若者は、つぶやきました。

「嫁さまも来たことだし、今度の正月は、もうちっと晴れやかにしてぇなぁ…」

 

次の日、娘は言いました。

「はたを織りたい【着物を作る反物(たんもの)を作りたい】と思いますので、はた場を作ってくださいませんか?」

 

さっそく若者が、奥の間に、はた織り機を準備すると

「約束ですよ。

私がはたを織っている間、決して、中をのぞかないでくださいね

と娘は言って、はた場にこもってしまいました。

 

トン、トン、カラリ…

戸の向こうから、はたを織る音が聞こえてきます。

 

こうして娘は、3日3晩、はたを織り続けました。

そして4日目の朝、ようやく娘は、はた場から出てきました。

 

なんと美しい反物(たんもの)でしょう!

若者が町に持っていくと、たくさんの人が見に来て、たんものは飛ぶように売れました。

 

そして、お正月になりました。

娘のおかげで、いつもより美味しいものを食べ、良い年を迎えることが出来ました。

 

しばらくして、娘は、また、はた場にこもりました。

「のぞかないでくださいね。

約束ですよ…」

 

今度は、織り上がるまでに5日もかかりました。

織り上がったたんものは、前よりも、もっと美しいものでした。

しかし娘は、少しやつれたように見えました。

 

今度は呉服屋(ごふくや)の主人が、高い値段で反物を買ってくれました。

「これでしばらく、食うものには困らねぇ。本当にありがたい…」

と、若者は思いました。

 

しかし、それから幾日も経たないうちに、呉服屋の主人が訪ねてきました。

「あの反物(たんもの)を、殿様がとても気に入られてな。この次は、もっと高く買う、と言っておられる。

ところで、あのような美しい反物は、どうやって織るのだ?」

 

「それは…、おらも見たことがねぇんです。」

 

「めおとでも見られないとは、妙な話だ。」

呉服屋は織っている所を見せてくれるよう頼みましたが、若者は娘との約束を守って、断りました。

 

その晩、若者は娘に、殿様がたんものを高く買ってくれるという話をしました。しかし娘は

「はたを織るのは、しばらく休みたいのです。」

と言うではありませんか。

 

「それなら… もう一度だけ……。な?」

「……分かりました。」

 

娘は、仕方なく、はた場の中へ入っていきました。

 

しかし今日は、はたの音が、時折、途切れます。

 

「そういえば… よめさ、最近、少しやせたか?」

若者は急に娘のことが心配になりました。

 

「夫婦(めおと)でも見られねぇとは、妙な話だ…」

呉服屋の言葉が、頭によぎります。

 

「そうだ! 夫婦(めおと)なんだ! 少しくらい様子を見るくらい、かまわないだろう」

 

とうとう若者は、娘との約束を破り、そっと戸の隙間から中をのぞき…

 

ハッ!と、息をのみました。

 

そこには娘の姿はなく、鶴がいたのです。

つるは自分の羽を抜き、反物に織り込んでいるではありませんか!

 

「つ、鶴が…

そんな……」

 

腰を抜かす若者に、娘は悲しそうに告げました。

 

「私は、あの時助けていただいた、鶴です。

恩返しがしたくて、ここまでまいりました。

あなたの喜ぶ顔をずっと見ていたかったのですが、正体を知られたからには、ここにいることは出来ません。」

 

「すまねぇ、許してくれ!

もう、はた織りはしなくていいから……!!」

 

若者は土下座して頼みましたが、娘は悲しそうに首を振るばかりです。

 

「そんな!

どこにも行かねぇでくれ!!」

 

若者の叫びも娘には届きません。

 

「さようなら…」

 

娘は、そうつぶやいたかと思うと、姿を消してしまいました。

 

慌てて外に飛び出すと、1羽の鶴が、空のかなたに飛んでいくのが見えました。

若者は空を見上げながら、雪の中で、ただ、立ち尽くしかありませんでした。

鶴の恩返しのまとめ、教訓と感想!

突然ですが、次の文章を、イメージしてみてください。

 

『あなたは、真っ白な部屋の中にいます。

部屋の壁の中央に、『押してはいけない』と書いたボタンがあります。

ほかには、なにもありません。

ボタンを押したら、どうなるかも分かりません。

 

さぁ、あなたは、ボタンを押すのを我慢することが出来ますか…?』

 

もちろん

「怖いから、押さない」

という人もいるでしょう。

 

でも、ほかに何もなくて、ずっとボタンばかり見続けていたら、その怖さは、だんだんなくなっていきます。

 

そして、たいていの人は、ボタンを押してしまうのです。

『理由もなく「やっちゃダメ」と言われることほど、やってみたくなる』という気持ちです。

 

しかし、『ダメ』なことはやってはいけません。

ましてやそれが、何度も念を押して『しない』と約束したことなら、なおさらです。

 

『仲の良い夫婦なんだから、やってもいいだろう』

なんていうのは、ただのこちら側の言い分です。

 

友達同士でも、同じことが言えますね。

「嫌だ」

ということは、しないように気をつけましょう。

 

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「はたを織るのは、しばらく休みたいのです。」

って、娘さんは言ってたね。

きっと、自分の羽を抜きすぎて、相当、身体が痛かったんだろうね。可哀想に…。

 

でも、正体がバレたからって、どうして出ていかなきゃいけないのかな?

若者は、それをバカにしたり、見世物にするような人には見えないんだけど。

 

「すまねぇ、許してくれ!

もう、はた織りはしなくていいから……!!」

とまで言ってくれていたのにね。

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