ブレーメンの音楽隊のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- どうぶつたち…あたらしい毎日をもとめて、ブレーメンへむかうことにしたろば、いぬ、ねこ、そしておんどり。
- どろぼうたち…どうぶつたちがついたとある家で、ごうかなごはんを囲んでいたどろぼうたち。
- 歳(とし)をとって主人たちのそばにいられなくなったどうぶつたちは、ブレーメンで音楽隊にはいることを夢見てたびだつ。
- たびのとちゅう、おなかがすいたどうぶつたちはとある家で、おいしそうなごはんをかこむどろぼうたちを見つける。
- どうぶつたちは知恵(ちえ)や、わざでどろぼうたちを家から追いはらう。
- 家が気に入ったどうぶつたちは、ブレーメンにはいかず、ずっとそこでくらした。
ブレーメンの音楽隊のあらすじ!
むかしむかし、あるところに。
歳(とし)をとったろばがいました。
ろばはおもい荷物がはこべなくなったため、
主人に売りはらわれそうになってしまいます。
そこで、ろばは思いきって逃げだしました。
「ブレーメンにいって、音楽隊にいれてもらおう!」
ろばが歩いていると、かなしそうな犬と出会いました。
「どうしたんだい?」
「歳をとって、主人といっしょに猟(りょう)にいけなくなって、かなしいんだ」
犬がこたえると、ろばはにっこり笑っていいました。
「それじゃあ、ぼくといっしょにブレーメンの音楽隊にはいろう!」
犬はうれしそうにうなずいて、ついていくことにしました。
ろばと犬が歩いていると、ずぶぬれになったねこと出会いました。
「どうしたんだい?」
「あたしはねずみがとれなくてね、ご主人がおこって、あたしを川にほうりなげたんだ」
ろばがいっしょにブレーメンへ行こう、というと、
猫はうれしそうにうなずいて、ついていくことにしました。
ろばと犬とねこが歩いていると、おんどりが大きな声で泣いていました。
「歳をとってからは、朝寝坊(あさねぼう)ばかり。みんなの目をさませない自分がなさけない」
ろばがいっしょにブレーメンへ行こう、というと、
おんどりはうれしそうにうなずいて、ついていくことにしました。
そして夜がやってきました。
ろばたちが眠ろうとしていると、木のうえにいたおんどりが一鳴きします。
「あっちのほうに、家のあかりがみえるぞ!」
ろばたちは、家があるほうへといってみることにしました。
むしゃむしゃ、むしゃむしゃ!
家のまどをのぞくと、なんと、
どろぼうたちがごちそうを食べているではありませんか!
「これはおどろいた。見たこともないたべものばかりだ」
「もうはらぺこだよ。どうにかして、あのごちそうをいただきたいものだね」
ろばたちは、この家からどろぼうを追いだすことにしました。
まず、ろばがうしろあしで立ち、まえあしをまどにのせました。
そのうえに犬が。つぎにねこが。さいごにおんどりがのります。
まどにうつったろばたちのかげは、まるでおばけのよう。
そして、よんひきはいっせいに鳴きはじめます。
「ひひーん!」
「わんわんわん!」
「にゃーにゃーにゃー!」
「こけこっこー!」
ろばたちの鳴き声はまざって、いままで聞いたことのないような音になりました。
どろぼうたちはびっくり。
ごちそうをほうりだし、家から逃げていきました。
よんひきはごちそうを食べると、眠りにつきます。
すやすや。すやすや。
しかし……。
「おや。家がしずかになったぞ、ちょっと見てこい」
家のそばにかくれてようすを見ていたどろぼうの親分が、
子分にむかっていいました。
子分は家のなかへはいります。
すやすや。すやすや……。
子分は眠っているどうぶつたちに、まだ気づいていません。
くらくてなんにも見えないので、火だねを見つけて、
マッチをともすことにしました。
けれど、火だとおもったそれは、
ねこの光る目だったのです!
「にゃー!!」
いたがったねこはおこって、子分に飛びつきました。
するどいつめでひっかきます!
「いたたた!」
子分はびっくりして、なにかをふんづけてしまいました。
それはいぬのしっぽでした!
「わんわん!」
いぬもおこって、子分にかみつきます!
家のそとへ飛びだした子分。
今度は、ろばのおしりにぶつかってしまいました。
「ひひん!」
ろばもおこって、うしろあしで子分をけります!
さいごに、物音におどろいたおんどりが大声でなきました。
「こけこっこー! こけこっこー!」
子分はもう何がなんだかわからず、親分のもとへにげかえりました。
「親分、あの家にはかいぶつがいます!」
子分はひいひいと息をきらしながらいいます。
「うでをひっかかれて、あしをかまれて、しりをけられ、屋根のうえからは“あのわるものをつかまえろー!”というさけびごえがします!」
どろぼうたちはぶるぶるとふるえて、遠くまでにげていきました。
どうぶつたちは、すっかりこの家がおきにいり。
ブレーメンにはいかずに、ずっとこの家へすむことにしました。
今でもその家からは、どうぶつたちがかなでる楽器のおとがきこえてくるそうです。
おしまい。
ブレーメンの音楽隊のまとめ、教訓と感想!
このお話のなかで、どうぶつたちは最初、歳をとってもとの居場所にいられなくなっています。
でも、「それじゃあブレーメンで音楽隊にはいろう」と、あたらしい楽しみを見つけて歩きだしました。
もしかすると、かなしいことがあっても自分たちしだいで毎日は明るくなるよ、と教えてくれているのかもしれません。
そして、どうぶつたちはブレーメンには行きませんでした。
これもまた、より幸せになれるほうへえらぶ道をかえてもいいんだよ、ということかもしれませんね。
ぼくは楽器だと、カスタネットがすきなんだ!
たたくだけに見えるけど、ほかのいろんな楽器とあわせられて、たのしいよ!