卑怯なコウモリのサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- とりの仲間…つばさをもち、空を飛べるどうぶつたち。
- けものの仲間…毛皮ときばを持ち、強いどうぶつたち。
- こうもり…つばさも毛皮もきばも持っており、とりにもけものにもいい顔をする。
- むかし、とりとけものはいつもけんかをしていました。
- こうもりは「わたしはとりの仲間です!」と言ったり、「わたしはけものの仲間です!」と言ったり、自分の得になるようにころころ立場を変えていました。
- やがて、とりとけもののけんかが終わるときがやってきました。
- こうもりは今まで自分勝手に立場を変えてきたぶん、とりにもけものにも仲間はずれにされ、暗いどうくつでさみしく過ごすようになりました。
卑怯なコウモリのあらすじ!
むかしむかしのことです。
とりの仲間と、けものの仲間は、いつもけんかをしていました。
「空を飛べるおれたちのほうが、えらいに決まっているさ!」
「いいや、キバやツメを持つおれたちが、鳥なんてやっつけてやる!」
そのやりとりを、こっそり隠れて見ている者がいました。
こうもりです。
「んっふふ。どちらの仲間になるのが、お得かなあ?」
ある日こうもりは、とりの王さまに呼び出されました。
「こうもりよ。お前はとりとけもの、どちらの仲間じゃ?」
するとこうもりは胸を張って言いました。
「もちろん、とりでございます! ほら、こんなにりっぱなわたしの翼を見てください!」
そうかそうかと、その翼を見てとりの王さまは納得をします。
しかしある日、こうもりはけものの王さまに呼び出されました。
「こうもりよ。お前はとりとけもの、どちらの仲間じゃ?」
するとこうもりは、おじぎをしながら言いました。
「もちろん、けものでございます! ほら、わたしの毛皮と、きばを見てください!」
そうかそうかと、その毛皮ときばを見てけものの王さまは納得をします。
それからもこうもりは、あっちへふらふら、こっちへふらふら。
とりがけんかに負けそうになると、けものの仲間だと言い、
けものがけんかに負けそうになると、とりの仲間だと言って過ごしていました。
そうこうしているうちに、とりとけもののけんかに、終わりの日がやってきました。
「いつまでもけんかしていても仕方ないな」
「まったくその通りだ! これからは、みんなでなかよく暮らそう」
その夜、仲直りをしたとりたちと、けものたちが宴会を開きました。
そこにこうもりがやってきます。
しかし、こうもりに対して、みんないい顔をしません。
「やい、こうもり。お前はとりにもけものにも仲間だと言ったな!」
「都合のいいときにだけよってきて、どういうつもりだ! お前なんかとりの仲間でも、けものの仲間でもない!」
こうして、とりとけものは、こうもりを追い返しました。
こうもりはみんなから仲間はずれにされたので、それからは暗いどうくつで、さみしく過ごすようになりましたとさ。
おしまい。
卑怯なコウモリのまとめ、教訓と感想!
みんなにいい顔をしたこうもりが好かれなかったのは、どういうことでしょうか。
きっと、とりも、けものも、けんかをしてでも、自分たちのプライドなど守りたいものがあったのでしょう。
仲直りをするときもきちんと謝ったはずです。
でも、こうもりは、そういうみんなが苦労をした部分には参加せず、自分の得だけを考えてあっちへふらふら、こっちへふらふらしました。
そんな相手を、とりやけものが仲間と呼べない気持ちはわかる気がします。
自分のことだけを考えすぎるのは、なるべくやめたほうがいいかもしれませんね。
結局、今ぼくたちのまわりにいるこうもりって、とりなの? けものなの?