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【耳なし芳一】あらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじクマ
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耳なし芳一のサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

耳なし芳一の登場人物
  • 芳一(ほういち)…目はみえないが、だれよりもびわのうまい若者。寺にいる。
  • おしょうさん…芳一をしんぱいする寺のおしょうさん。
  • 声…芳一にはみえないが、芳一のびわを目当てに毎晩芳一をむかえにくる。

 

サクッとあらすじ!
  1. 芳一という目は不自由だがすばらしい腕をもつびわ奏者(そうしゃ)がいた。
  2. ある夜から、芳一は、ゆうれいにびわの演奏をねだられるようになる。
  3. それをしったおしょうさんは芳一におまじないをして、芳一を守ろうとする。
  4. おまじないに失敗があり芳一はゆうれいに耳をとられてしまうが、その後、耳なし芳一として有名になる。

耳なし芳一のあらすじ!

むかしむかし。

いまの下関(しものせき)が、赤間関(あかまがせき)とよばれていたころのお話。

阿弥陀寺(あみだじ)という、お寺がありました。

 

その寺に、芳一(ほういち)という若者がひきとられていました。

芳一はびわをひくのがとてもうまく、不自由なからだでしたが、

師匠(ししょう)をこえるうでをもっていました。

 

芳一は源氏(げんじ)と平家(へいけ)のものがたりを、びわにあわせて語るのがとくいでした。

とくに、壇ノ浦(だんのうら)の合戦(かっせん)は、芳一がもっともすばらしく語るくだりです。

聴いた者はみんな、涙するのです。

 

その昔、源氏にやぶれた平家は、おんなこどもにいたるまで

みんな海のそこにしずんだといいます。それが、壇ノ浦の合戦のくだりでした。

 

とあるむし暑い夏の夜。

おしょうさんがでかけたので、芳一はひとり寺にのこりました。

 

ぽろん。ぽろん。

 

芳一がびわの稽古(けいこ)をしていると、どこかから声がします。

 

「芳一……! 芳一……!」

 

「は、はい。どなたさまでしょうか」

 

しかし、芳一は目がみえないので、声のすがたをさがせません。

すると、もういちどささやきかけられます。

 

「わしは、この寺のちかくに足をとめておられる、身分のたかいかたの使いものじゃ」

 

声はつづけます。

 

「その方は、おぬしの合戦の語りをきいてみたいとおっしゃっておる。私についてきてくれ」

 

その声の正体は、じつは、よろいをかぶった武者(むしゃ)でした。

芳一は、身分のたかいお方がじぶんのびわを聞きたがっていると聞いて、

とてもうれしく、声のあとについていきました。

 

そしてしばらくすると、どうやら大きな門のまえにつきました。

その門がひらかれ、ひろい庭をとおり、

芳一は館(やかた)のなかへ招かれます。

 

なかにはたくさんの人がいるようでした。

さら、さら。

じゃら、じゃら。

着物がこすれる音や、よろいがふれあう音がします。

 

「芳一、壇ノ浦のくだりを語っておくれ」

「かしこまりました」

 

芳一は、おねがいされるままに、びわをつかって語りはじめます。

やがて合戦の話が、平家がほろぶさいごのくだりになると

広間からみんなのすすりなきが聞こえてきました。

 

「芳一」

「はい」

「すばらしい演奏(えんそう)じゃった。殿(との)もおよろこびだ」

「ありがとうございます」

 

声は芳一にいいます。

 

「これから3日間、毎夜ここへ参れ。そして、このことはだれにも言ってはならぬ」

 

朝になってから寺にもどった芳一は、おしょうさんに見つかってしまいました。

夜のあいだじゅうどこへ行っていたか聞かれましたが、

芳一は、声との約束をまもりだまったままでした。

 

また夜がやってきました。

おしょうさんは不思議(ふしぎ)におもって、寺のものたちに芳一のあとをつけさせました。

すると芳一は、すたすたと歩いていったかと思えば、

お墓のまえですわりこんで、びわをひいているのです!

 

寺のものは、芳一がゆうれいにとりつかれたにちがいない、と思い

むりやり寺につれかえりました。

 

その出来事をしったおしょうさんは、芳一にまじないをかけることにしました。

芳一のからだじゅうに経文(きょうもん)をかきます。

 

「今夜、わしはまた留守(るす)にする。だれが来ても口をきいてはならんぞ。口をきけば、おまえは亡霊(ぼうれい)に見つかり、やつざきにされてしまう」

 

しん……とした寺で芳一が留守番(るすばん)をしていると、また声がしました。

 

「芳一、芳一。どこじゃ」

 

けれど、声は芳一を見つけられません。

おしょうさんのおまじないが、芳一をかくしているのです。

 

「む。あんなところにびわが。そしてその上には、耳が……」

 

ところが、声は、宙(ちゅう)に浮かんでいる芳一の耳を見つけました。

 

「耳しかないが、芳一をよびにきた証拠(しょうこ)として、もってかえろう」

 

そして、ぶち!と、芳一の耳をひきちぎってしまいました。

 

明け方になって、おしょうさんがいそいで芳一のようすを見にもどります。

そこには、耳をなくして、血をながしている芳一がいました。

 

「おお、おお。わしが耳に経文をかきわすれたばかりに、かわいそうに……」

 

おしょうさんは芳一をだきしめて、医者へつれていきました。

 

その後。

きちんとした手当のおかげで、芳一はまた元気になりました。

耳はなくなったままですが、芳一のうわさは人々につたわり、

もっとおおくの人が芳一のびわをききにくるようになりました。

 

いつしか芳一は“耳なし芳一”と呼ばれるようになり、

その名前をしらない人がないほど、ゆうめいになったということです。

 

おしまい。

耳なし芳一のまとめ、教訓と感想!

お経の書き忘れが、芳一の耳をなくしてしまいました。

これはひょっとすると、

最後まで気を抜くな!

という意味なのかもしれませんね。

 

それにしても、芳一が3日間ちゃんとびわを聞かせていたら、ゆうれいたちはどうなっていたのでしょう?

あのゆうれいたちはきっと、合戦にやぶれた平家のひとたちなのでしょう。

3日間、びわの音を聞けていたら、もしかすると成仏(じょうぶつ)できていたかもしれません。

 

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