かちかち山のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- おじいさん・おばあさん…なかよくくらしているが、たぬきにこまっている。
- たぬき…おじいさんたちの畑をあらす、とてもめいわくなたぬき。
- うさぎ…おじいさんから話をきき、たぬきをこらしめようとする。
- あるとき、おじいさんおばあさんの畑が、たぬきにあらされるようになった。
- たぬきはおばあさんにけがまでさせ、おじいさんは山へくすりをとりにいった。
- そこでおじいさんと出会ったうさぎはたぬきの話をきき、いろんな手でたぬきをこらしめる。
- たぬきはどこかに逃げ、うさぎはおじいさんたちとなかよくくらしはじめた。
かちかち山のあらすじ!
むかしむかし。
仲のいいおじいさんとおばあさんが、畑をたがやしながらくらしていました。
ところが、ある日畑を見にいくと、こっぴどくあらされています。
「だ、だれがこんなことを……」
悲しんでいるおじいさんの前にあらわれたのは、一匹のたぬきでした。
「やーい! おまえのところのやさいは、ぜんぶおれがたべてやる!」
それからというもの、たぬきは朝も夜も畑をあらします。
おじいさんはかんかんに怒り、わなをしかけてたぬきをつかまえました。
なわでぐるぐるにしばり、家のはしらにくくりつけます。
そうして、ふん、と、畑仕事へ出かけていきました。
たぬきはすっかりおとなしくしながら、なわからにげる機会をうかがっていました。
「おばあさん、ちょっと……」
たぬきは、やさしいおばあさんをだますことにしました。
「ちょっと、なわがきつくていたいので、ゆるめてくれませんか。もうわるいことはしません」
うそなきをして、おばあさんの気をひきます。
おばあさんはすっかりしんぱいをして、たぬきに近よりました。
「かわいそうに、今すこしゆるめてあげますからね」
ところが。
なわをゆるめてもらった瞬間、たぬきはおばあさんをつきとばしました!
どしん!
「ばかだなあ、ぜんぶうそだよ! あばよ!」
おばあさんは、腰をつよくうってしまい、たおれています。
もどってきたおじいさんがかけよって、介抱しました。
すこしして、おじいさんは、おばあさんの腰にいいくすりを取りにいくため、
山へのぼっていきました。
すると、一匹のうさぎが声をかけてきます。
「やあ、おじいさん。どうしましたか?」
おじいさんはうさぎに、たぬきがしたことをぜんぶ話しました。
それを聞いて、うさぎはぷんぷん!
「なんてひどいたぬきだ! ぼくがこらしめてきます!」
そうして、うさぎはある夜、おばあさんのきびもちを山でやきました。
いいにおいがあたりに広がります。
そのにおいで、まんまとたぬきが顔をだしました。
「あ! たぬきくんいいところに。きびもちをあげるから、荷物をはこぶのをてつだってくれないかい」
「おお、いいぞ。そのかわり、もちはぜんぶよこせよ」
たぬきは、うさぎが用意したかれ草のたばをせおい、あるきはじめました。
カチ、カチ。
うさぎはたぬきのうしろをついていきながら、
こっそり火打ち石をならします。
カチ、カチ。
「なにかへんな音がしないか?」
たぬきは首をかしげましたが、うさぎは、
「カチカチ鳥が鳴いているのさ」
といってながしました。
カチ。
すると、火打ち石が、たぬきのせおった草のたばをもやしはじめました!
ぼう、ぼう!
「またへんな音がしないか?」
「そうかな。ぼうぼう鳥がないているだけさ」
たぬきは、また首をかしげていましたが、その瞬間、
せなかの草がすごいいきおいでもえていることに気づき、悲鳴をあげました。
「あちちちちい!」
たぬきは家ににげかえります。
そこへまたうさぎがやってきました。
「やあ、たいへんだったね! ぼくが薬をぬってあげるよ」
そう言って、やけどのうえにぬりこんだのは、
とうがらし入りのみそでした。
「いたいいたい! しみるしみる!」
とうがらしが、ひりひり。
たぬきは泣きべそをかきますが、うさぎは聞きません。
「いい薬はしみるものさ。そうだ、たぬきくん、つりにいかないかい?」
うさぎはにっこりわらってさそいます。
「やけどをなおすには、えいようもつけなきゃ。さかなをとりにいこうよ!」
たぬきは、それもそうかと、ついていくことにしました。
「それじゃあ、ぼくは木の船にのるね。たぬきくんは、どろの船にのってね」
いわれたとおり、たぬきはどろの船で海へこぎだします。
しかし、すこしたつと、泥の船はとけはじめてしまいました!
たぬきは、ぼしゃん!と海へ落ちます。
「た、たすけてくれー! おれはおよげないんだ!」
たぬきがあっぷあっぷとくるしみながらうさぎへおねがいすると、
うさぎはとてもきびしい顔で言いました。
「なにをいう! おばあさんはおまえのせいでくるしんだんだぞ!」
そうして、うさぎはたぬきに一切手をかしませんでした。
たぬきは命からがら岸へあがると、どこかへにげていき、もう悪さはしませんでした。
そのことをうさぎがおじいさんに知らせると、
おじいさんはほっとして、おおよろこび。
うさぎはおじいさん、おばあさんと一緒にくらすことになり、
おいしいやさいを沢山つくりながらなかよくすごしましたとさ。
めでたし、めでたし。
かちかち山のまとめ、教訓と感想!
“因果応報”ということばがあります。
いいおこないをすればいいことが自分にかえってくる。
わるいおこないをすればわるいことが自分にかえってくる、という意味です。
たぬきは、おじいさんおばあさんを傷つける、とてもわるいことをしました。
なので、きっと、あんなにくるしむことになってしまったのです。
いいことをすれば、うさぎのように、おじいさんたちから感謝の言葉をもらって、おだやかにすごせるのかもしれませんね。
木の船はしずまないけど、どろの船はしずむんだね!
そういうちがいがあるんだ。おもしろいなあ。