狐と鶴のご馳走のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- きつね…いじわるで、まわりの困った顔を見るのが大好き。
- つる…ある日、きつねから「ごちそうをふるまうよ」と誘われる。
- ある日いじわるなきつねは、つるを困らせてやろうと家へ誘った。
- きつねはつるのくちばしでは食べられないようなスープを出し、つるを悲しい気持ちにさせてよろこんだ。
- 次の日、今度はつるがきつねを家へ誘い、くちばしのないきつねが食べられないような食事を出して仕返しをした。
- きつねはとても悲しい気持ちになり、今まで自分がおこなってきたことを反省した。
狐と鶴のご馳走のあらすじ!
むかしむかし。
とある森に、いじわるなきつねが住んでいました。
きつねは、いつも森のなかまたちにいたずらをしていました。
みんなの困った顔を見るのが大好きだったのです。
「さあ、今度はだれにいじわるをしてやろうかな」
そこへ、つるが通りかかりました。
きつねはぴんときて、つるに話しかけます。
「やあ、つるくん! 明日、ぼくのうちで一緒にごちそうを食べないかい?」
「ほんとうかい? それはうれしいな、ぜひ行かせてもらうよ」
つるは、なにもうたがわずに、きつねの誘いにのりました。
しめしめ。
きつねはそっと、にんまり笑います。
次の日のこと。
きつねの家に、つるがやってきました。
きつねとつるは一緒に食卓をかこみます。
「さあ、つるくん! とっておきのスープをどうぞ」
そう言ってきつねが用意したのは、とても浅いお皿に入ったスープでした。
長いくちばしのつるは、くちばしがお皿につっかえてしまって、ぜんぜん飲むことができません。
その様子を見て、きつねはとっても満足そうです。
「おや、つるくんは食べないのかい? それじゃあぼくがいただくね」
そしてきつねは、つるの目の前で、つるのぶんまでスープを飲んでしまいました。
「きつねくんは、わざとぼくが飲みにくいお皿にしたんだね」
つるはとっても悲しい気持ちになり、帰っていきました。
また次の日のこと。
今度はつるが、きつねのことを誘いました。
「昨日はありがとう! お礼に、今度はぼくがごちそうするよ」
「やったね! すぐに行かせてもらうよ」
きつねは、きげんよくつるについていきました。
「さあ、とても美味しいお肉だよ。召し上がれ」
つるの家へつき、食卓を囲むと、料理がでてきました。
ところが。
その美味しそうなお肉が入ったうつわはとても細長い形です。
きつねがフォークをさしこもうとしても、まったく届きません。
「おやおや、きつねくん。食べないなら、ぼくがもらうよ」
そうしてつるは、長いくちばしをフォークが届かないところまですいすい入れて、ふたりぶんのお肉を食べてしまいます。
悲しくなったきつねはようやく、自分がつるをどんな気持ちにさせていたか考えることができました。
「つるくん、ごめんね。ぼくはきみにひどいことをしたんだね」
きつねはつるに謝り、それからというもの、いじわるをすることはなくなったそうです。
おしまい。
狐と鶴のご馳走のまとめ、教訓と感想!
このお話では、きつねがつるにおこなったいじわるを、つるがそのままきつねにやり返しました。
するときつねは、悲しい気持ちになり、自分のおこないを反省しました。
これは読んでそのまま、
「自分がいやなことを他人にしてはならない」
ということではないでしょうか。
きつねは今までまわりのなかまに沢山いじわるを繰り返してきました。
つるだけではなく、他にもいっぱいの友だちをいやな気持ちにさせたことも、理解してほしいなと思います。
いじわるするより、なかよくしたほうが毎日たのしくすごせるよね!
きつねくんが気づけたみたいで、よかったなぁ。