小人の靴屋のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- おじいさん…靴をつくって売っている。
- おばあさん…おじいさんを支えながら一緒に暮らしている。
- 小人…おじいさんの家へ、夜になるとやってきて……?
- 腕のいい靴職人のおじいさんの靴はいつも人気だったが、あるときからぱったりと売れなくなってしまった。
- しかしある日、おじいさんが革を置いたまま寝ると、知らないうちに靴が出来上がっていた。そのふしぎな出来事はしばらく続いて、その靴がたくさん売れたのでおじいさんはお金持ちになった。
- ある夜、おじいさんとおばあさんは、小人がその靴をつくっているのを見つけた。
- ふたりは小人にお礼を渡し、小人はもう訪れなくなったが、末永く幸せに暮らした。
小人の靴屋のあらすじ!
昔、ある町に、一軒の靴屋がありました。
靴屋をきりもりしているおじいさんは、靴をつくるのがとても上手です。
店にはたくさんのお客さんがおとずれていました。
ところが、ある日を境に、いきなりおじいさんの靴が売れなくなってしまいました。
おじいさんと、おばあさんは首をひねります。
「おじいさん、近頃、靴が売れませんね」
「わしの靴は丈夫だから、新しいものを買う必要がないのかもしれん」
そう言ってはいましたが、靴の売れない日々は続きました。
生活がだんだんと貧しくなっていきます。
もう、靴をつくる革も1足ぶんしか残っていません。
おじいさんが革屋へ向かっても、売上のわるい靴屋には革を売れないと言われてしまいました。
その夜、おじいさんは最後の革を靴の形に切って、寝ることにしました。
「あした仕上げて、最高の靴にするからな」
しかし朝がやってくると。なんと、その靴がもうできあがっているではありませんか!
「ばあさん!」
「あら驚いた。おじいさんの靴より素敵ですね」
「そうだなあ。すばらしい靴だ」
おじいさんは早速、その靴をお店に並べました。
するとすぐに、いつもの値段の倍で売れたのです。
そのお金でおじいさんは新しい革を買うことができました。
2足ぶんの革を靴の形に切って置いておくと、またすてきな靴ができていました。
その靴はふたたび飛ぶように売れます。
そして、次の日は4足、その次の日は8足と、毎日ふしぎな靴がひとりでに出来上がり続けました。
どの靴も大変な人気で、お客さんの足が止まることはありません。
いつのまにか、おじいさんとおばあさんはお金持ちになっていました。
さて、ときは流れ、クリスマスが近づいたころ。
おじいさんはおばあさんに言いました。
「ばあさんや。あの靴はずっと、神さまからの贈りものだと思うようにしていたが、本当のところはどうなのかそろそろ確かめようと思うのじゃ」
「ええ、そうですね」
ふたりはその夜、靴の革を置くと、寝ずにその皮を見張っていました。
かちゃり!
窓が開いて、入ってきたのは小人です。
おじいさんの手よりちいさな小人は、靴の革に駆けよります。
とんとん! こんこん!
小人は靴の皮を縫ったり、かなづちで叩いたりして、あっという間に立派な靴を完成させました。
それを見ていたおじいさんとおばあさんはびっくり。
今まであんなに素敵な靴をつくってくれていた小人に、お礼をすることにしました。
「なにをあげるのがいいじゃろうか」
「この頃は寒くなってきましたし、なにか身につけるものにしましょうか」
次の晩、ふたりは小さな靴と、小さな洋服を、革のかわりに置いておきました。
するとどうでしょう。
小人はたいへん喜んで、靴と洋服を身にまとい空へ飛んでいきました。
その後、小人があらわれることは二度とありませんでした。
しかし、おじいさんとおばあさんは末永く幸せに暮らし続けたそうです。
おしまい。
小人の靴屋のまとめ、教訓と感想!
このお話のなかで、おじいさんとおばあさんが末永く暮らせたことには、大事な理由があると思っています。
それはきっと、ふたりが、偶然得た幸運に対して感謝のこころを忘れなかったからです。
もしふたりがお礼を渡さなかったら、小人は拗ねたり、怒ったりしたかもしれません。
そうするとなにか悪いことが起こったかもしれません。
わたしたちにも、おじいさんの靴が突然売れなくなったように、物事がうまくいかないときはあります。
けれどそのとき誰かが助けてくれたら、
それを当たり前と思わず、しっかり感謝できる人でありたいですね。
ぼくのところにも、小人が来てくれないかな!
寝ているあいだに、宿題をぜんぶやってくれる小人……。