人魚姫のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- 人魚姫…とくべつにうつくしい人魚のお姫さま。地上のにんげんのおはなしを聞くのがだいすき。
- 人魚姫のお姉さんたち…人魚姫とともにくらす5人の姉。
- 王子さま…嵐で遭難(そうなん)をしかけたときに、人魚姫にたすけられた。人魚姫が恋をしたにんげん。
- 海の魔女…人魚姫にくすりをわたした魔女。
- 人魚姫は、海のなかで5人のお姉さんたちと一緒にくらしていた。
- 15歳になった日、人魚姫は海の上まで浮かびあがって、船に乗る王子さまを見つけた。
- 王子さまに恋をした人魚姫はにんげんになりたいとねがうようになり、海の魔女からくすりをもらった。
- しかし、その恋は実らず、人魚姫は海のあわになって消えてしまった。
人魚姫のあらすじ!
海のいちばん深いところは、どんなところでしょうか?
そこはとっても青く、きれい。
たくさんのお魚がすんでいるすばらしい場所です。
そしてそこには、人魚の王さまのお城がありました。
お妃(きさき)さまは、6人のお姫さまを産んですぐに死んでしまったので、
おばあさまがお姫さまたちのおせわをしていました。
おばあさまは、お姫さまたちにいろいろなおはなしをしてくれました。
そのなかには海のそとのおはなしもありました。
すえのお姫さまの人魚姫は、6人のなかでもとくべつに美しい子。
そのひとみは青い宝石のようにきらきらです。
ほっぺたは、ばらの花のようにきれいでした。
そんな人魚姫は、海の上のことを考えるのがだいすき。
おばあさまが話してくれるにんげんの世界のおはなしが、いつも楽しみで仕方ありません。
ある日、おばあさまは6人のお姫さまたちに言いました。
「15歳になったら、海の上に浮かびあがることをゆるしてあげましょう!」
お姫さまたちはおおよろこび。
「船にのっている人や、うみべの町、みどりの森を見てきなさい」
おばあさまはにっこりほほえみました。
海の上にあこがれている人魚姫は、自分が15歳になる日をこころまちにしていました。
「はやく海の上に行きたいなあ……」
そしてようやく、その日がやってきました。
人魚姫はとってもうれしい気持ちで、海の上へ向かっておよぎました。
海から顔をだすと、そこには一隻(いっせき)のおおきな船。
その船には、うつくしい王子さまが乗っていました。
「なんて素敵な方なのでしょう!」
人魚姫が王子さまをじっと見ていたそのとき。
とつぜんの嵐(あらし)がやってきて、王子さまの乗っている船はひっくり返ってしまいました。
船がどんどん、海のなかへとしずんでいきます。
人魚姫はひっしに王子さまをさがしました。
見つけた王子さまを抱きかかえておよぎ、砂浜(すなはま)へはこびます。
王子さまは、人魚姫のおかげでいのちをとりとめました。
ところが、王子さまが目をさましたとき。
となりにいたのは、ぐうぜん通りかかったにんげんの女のひとでした。
王子さまはたすけてくれたのが人魚姫だと気づかず、その女のひとにおれいを言いました。
人魚姫は岩のかげにかくれて、それを見ていました。
「王子さまはわたしに気づかなかった……」
かなしい、かなしいと、人魚姫は泣きながら海へ帰りました。
けれど、人魚姫は王子さまのことを忘れられません。
まいにち王子さまのことを考えます。
もういちど王子さまに会いたい。
人魚姫は、海の魔女(まじょ)のもとをたずねました。
「このくすりをお飲み。飲めば、おまえのひれは2本の足になるよ!」
おそろしい魔女はつづけます。
「そのかわり、王子さまの愛(あい)をもらえなければ、
おまえは海のあわとなって消えてしまうだろう!」
人魚姫は、かくごをきめて薬を飲みました。
薬を飲むかわりに人魚姫はうつくしい声をうしないました。
そして、はえてきた足は、歩くたびにずきずきとします。
それでも、人魚姫はふたたび地上へいき、王子さまと再会(さいかい)しました。
王子さまはにんげんのすがたになった人魚姫を、きれいだとほめてくれました。
人魚姫はお城にすむことになり、まいにち王子さまのそばでハープをかなでます。
それは人魚姫にとって、しあわせな日々でした。
しかし、足とひきかえに声をなくした人魚姫は、王子さまに気持ちをつたえることができません。
ついに、王子さまはとなりの国のお姫さまと結婚(けっこん)することになってしまいました。
このままでは人魚姫は、あわとなって消えてしまいます。
その夜、お城のまどから海をみると、お姉さんたちがやってきて言いました。
「人魚姫! わたしたちの髪(かみ)を魔女に売って、ナイフを手に入れたわ!」
「これで王子さまのむねをさせば、あなたは消えないのよ!」
人魚姫はナイフをもって、ねむっている王子さまを見つめました。
「わたしにはできないわ」
人魚姫には、あいする王子さまをさすことがどうしてもできませんでした。
おねえさんたちとはなれ、うつくしい声をうしなった苦しみのかわりに
人魚姫はひととき王子さまといっしょにすごすことができました。
人魚姫は、王子さまのこれからのしあわせをねがいながら
海のあわになり消えていきました。
そのあと、王子さまは赤ちゃんをさずかりました。
その子はとてもかわいらしく、人魚姫にそっくりです。
消えてしまった人魚姫は生まれかわり、にんげんの子どもとして
しあわせにすごしたのでした。
めでたし、めでたし。
人魚姫のまとめ、教訓と感想!
人魚姫が王子さまとふたたび会うためには、家族からはなれて、声もうしなう必要(ひつよう)がありました。
これはもしかしたら、ねがいごとを叶えるためには、なにかを我慢(がまん)しなければならないということかもしれませんね。
でも、我慢することはとってもしんどいです。人魚姫はそのしんどさや、かなしみに負けず、王子さまのしあわせをねがいました。だからこそ最後に、生まれかわることができたのでしょうね。
人魚姫は声をなくしたけど、もしも王子さまにラブレターを書いていたらどうなっていたんだろう?
考えてみるのもたのしいかもしれないね!