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【マッチ売りの少女】あらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじウサギ
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マッチ売りの少女のサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

マッチ売りの少女の登場人物
  • 少女…雪の中を、マッチを売り歩く。
  • 道行く人々…誰もマッチを買ってくれない。
  • 少女の父親…アル中になり、少女をマッチ売りとして働かせる。
  • おばあさん…少女が大好きだった、優しいおばあさん。

 

サクッとあらすじ!
  1. 大晦日の夜。マッチ売りの少女はお腹を空かせながらマッチを売り歩くが、誰も買ってくれない。
  2. 馬車にひかれそうになり、さらには、脱げた靴を少年に盗られてしまう。身も心も疲れ果てた少女は、路地裏に座り込む。
  3. 少女は寒くてたまらなくなり、マッチをつけた。マッチの炎の中に、少女が欲しくてたまらない物が、次々と浮かび上がっては消えていく。
  4. 翌朝、少女は雪の上に横たわって亡くなっていた。少女の周りにはマッチの燃えカスが散らばっていた。

マッチ売りの少女のあらすじ!

しんしんと雪が降り続く、とても寒い大晦日の夜のこと。

街行く人々は、みな温かい格好をしていますが、

たった一人だけ、みすぼらしい格好をした少女がおりました。

だぶだぶの革靴。

コートも靴下もなくて、とても寒そうです。

 

「マッチはいりませんか?」

少女はマッチがたくさん入ったかごを腕にぶらさげて、街から街へと売り歩きました。

しかし、今日もまだ、一箱も売れません。

 

少女が悲しそうに通りを渡ろうとした、そのときです。

向こうから一台の馬車が、ものすごい勢いで走ってくるではありませんか!

 

「ああっ!」

少女は雪道に倒れ込み、危機一髪、馬車を避けました。

「気をつけろっ! ひかれたって知らないぞっ!!」

馭者(ぎょしゃ)はちっともスピードを落とさずに、少女を怒鳴りつけながら去って行きました。

 

少女は、避けた拍子に、靴が両方とも脱げてしまっていたことに気が付きました。

マッチの入ったかごもありません。

必死になって探していると…

 

「おーい。これ、もらってくよー。」

少女の靴を見つけた男の子が、嬉しそうに走って持って行ってしまいました。

 

少女は仕方なく、雪の中からマッチ箱を拾うと、裸足で歩き始めました。

降り積もった雪の強烈な冷たさが、少女の足を襲います。

 

「マッチ…

マッチはいかがですか?」

「マッチは家にたくさんあるから、いらないわ。」

少女は手も足も真っ赤にしながら必死で声をかけますが、誰も見向きさえしてくれません。

 

「おお、寒い。」

「お母さん、僕、お腹すいたよ。」

「早く家に帰って、温かいスープを飲みましょうね。」

少女と同じくらいの年の男の子が、お母さんと話しながら、幸せそうに少女のそばを通り過ぎていきました。

家々の窓からは、暖かそうな灯りがもれています。

 

少女は幸せだった日々を思い出しました。

毎年クリスマスになると、大きなクリスマスツリーを飾ります。

少女はクリスマスプレゼントをもらえるのを、それはもう、楽しみにしていました。

少女の家は、おばあさん、お父さん、お母さん、そして少女の、4人家族でした。

 

しかし、お母さんが病気で亡くなってしまってから、お父さんは変わってしまいました。

毎日お酒を飲むようになったのです。

間もなくしてお婆さんも亡くなってしまうと、お父さんはより一層お酒に溺れ、とうとう働くことさえやめてしまいました。

それから毎日、少女はこうしてマッチを売り歩き続けているのです。

雨の日も、雪の日も…

 

(マッチが売れなかったら、またお父さんに叩かれるわ…)

少女が軒下で凍えた手を温めていると、パイプを吹かした一人の紳士が通りかかりました。

「マッチを買って下さい。

マッチを買ってもらえなければ、食べる物が買えないんです。」

少女は必死にお願いしました。しかし

「もう遅いから、早く帰りなさい。」

紳士は、そう言って通り過ぎて行きました。

 

(お腹が空いたわ…)

少女の鼻を、美味しそうな香りがくすぐりました。

(そうだ、今日は大晦日だったのね。)

楽しそうな子どもたちの笑い声も聞こえてきます。

(お母さんやお婆さんが生きていたら、私も暖かい部屋で食事が出来たのに…)

少女は、朝から何も食べていませんでした。

 

疲れ果て、凍えきった少女は、とうとう、家と家の間のくぼんだ所に座り込んでしまいました。

(このまま帰ったら、お父さんに叩かれるし。

少しだけ、休んでいきましょう。

ここは雪が降ってこないだけ、少しはましだわ。)

少女はそっと雪の上から足を離しましたが、体の震えは止まりません。

一生懸命、手や体をこすりますが、少しも温かくなりません。

 

(…そうだ。

マッチを一本だけ、つけようかしら。)

女の子は、かじかんだ手でマッチを一本取り出すと、壁にこすりつけました。

 

(まぁ、きれい。

こんなに小さな火なのに、なんて暖かいのかしら…)

ローソクのように輝くマッチを見て、少女はうっとりしました。

すると…

 

灯りの中に、ストーブが見えてきました。

あかあかと燃えるストーブは、少女の体を気持ちよく温めてくれます。

少女は冷たくなった足を温めようと前に伸ばしましたが…

 

ふっ、とマッチの灯りが消えてしまいました。

もうストーブもありません。

少女の手には、燃え尽きたマッチだけが残りました。

 

(もう一本だけ、ね。)

マッチの灯りの中に、今度は部屋の中が見えてきました。

キャンドルを立てたテーブルの上に、白くてふかふかのパンや果物が置いてあります。

こんがりと焼けたガチョウの乗ったお皿が、こちらへ飛んできました。

でも…

 

少女が手を伸ばした途端、マッチの火は消え、ごちそうも消えてしまいました。

 

少女は急いで次のマッチをこすりました。

今度は、大きなクリスマスツリーが現れました。

ツリーの下には、たくさんのプレゼント。

(この間、よその家で見たのより、ずっと大きいわ。)

少女がもっとよく見ようとすると、マッチの火は消え、ツリーに下がっていた沢山のローソクは、空高く昇っていきました。

 

(まぁ、きれい。)

ローソクはきらきら輝く星になりました。

その星の一つが、すぅ…と流れていきました。

(あっ、流れ星。

きっと、誰か天国に行くんだわ。)

少女は、大好きだったおばあさんの言葉を思い出しました。

 

少女は、寒いことも、お腹が空いていることも忘れ、夢中で新しいマッチをつけました。

すると…

 

あたりが、ぱぁっと明るくなって、なんと、亡くなったおばあさんが立っているではありませんか!

「おばあちゃん…

おばあちゃん…っ!」

少女は泣きながら、優しかったおばあさんの胸の中に飛び込みました。

 

「おばあちゃん。

おばあちゃん、私も連れて行って。

だって知ってるもの。

マッチの火が消えると、おばあちゃんも行ってしまうんでしょう?

ガチョウや、クリスマスツリーのように‥。

そんなの、嫌だ!」

少女は残りのマッチを束にして、全部一度にこすりました。

そうすれば、おばあさんがいつまでも自分の元にいてくれると思ったのでしょう。

 

おばあさんは、少女をしっかり抱きしめました。

そして、少女と一緒に、まばゆい光の中を、空へ、空へと昇っていきました。

 

夜が明け、新年が始まりました。

家の脇の雪の上には、小さな女の子が微笑みながら横たわっていました。

少女の周りには、マッチの燃えかすが散らばっています。

 

「まぁ、この子は…

マッチの火で暖まろうとしたのねぇ。」

「可哀想に。」

集まった人々は口々に言いました。

 

でも、誰も知りませんでした。

少女が見た、素晴らしい物のことを。

 

少女は幸せに包まれて、眠るように天国に行ったのです。

マッチ売りの少女のまとめ、教訓と感想!

『マッチ売りの少女』は、アンデルセンの童話の中の有名なお話です。

 

1845年、11月。

アンデルセンのもとに、三枚の絵と手紙が届きました。

この中の一枚の絵をヒントに童話を書くよう依頼されたのです。

アンデルセンが選んだのは、マッチを持つ少女の後ろ姿が描かれた木版画で、『マッチ売りの少女』はそこから生まれました。

 

アンデルセン自身、とても貧しい靴屋に生まれました。

しかし、彼の母親の生涯は、もっと貧しいものでした。アンデルセンは母からその当時のつらさを聞かされており、それをもとにこのお話を書いたとされています。

当時のデンマークは社会の格差が激しく、貧しい家に産まれた者は、日々をあえぎながら暮らすしかありませんでした。それこそ、この少女のように、死ぬことでしか幸せになれなかったのです。

 

また、このお話に描かれているのは、貧しさばかりではありません。

少女をすんでのところでひいてしまいそうになっても、謝るどころか、なおも罵声を浴びせかけてくる馭者。

暖かい格好で幸せそうに母親と家路につく少年。

「マッチを売らないと食べ物がないので買って下さい。」

と裸足で雪道を歩く少女が嘆願しても、ただただ帰るよう促す紳士など、およそ少女とは対象的な人々も、たくさん描かれています。

そうすることでアンデルセンは

『貧しさにあえいでいる者を見ても、見て見ぬ振りを決め込む上流階級への皮肉』

をも込めているのです。

 

しかし、この作品を改めて見返すと、少女の父親が一番ひどいような気がしてきます。

確かに、妻と親を亡くした父親の辛さも痛いほど分かります。でも、だからと言って、自分だけ酒に逃げ、幼い少女を毎日こきつかっていいはずがありません。

虐待としかいえないような、そんな酷いことを、彼はどうして出来たのでしょうか。

せめて父親だけでも、まともに働き続け、寂しい少女の気持ちを温かく包んであげていたら、少女は居場所をなくさずにすんだかも知れないのに…

そう思うと、余計に可哀想で、涙を流さずにはいられません。

あらすじウサギ
あらすじウサギ

あんまりにも可哀想なお話だから、アメリカでは『最期は優しいお金落ちに助けてもらえる』と変えている絵本もあるみたいだよ。

確かに、幸せな子供時代を過ごしていないと、大人でも読むのがつらい作品だよね。

絵本おばあちゃん
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