昔話あらすじ

【龍の淵】昔話のあらすじをサクッと簡単にまとめてみた!

あらすじクマ
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龍の淵のサクッとあらすじ!

まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪

 

龍の淵の登場人物
  • 兄…漆とりの兄。奇妙な淵を発見する。
  • 弟…漆とりの弟。兄の後をつけて、自分も奇妙な淵を見つける。

 

サクッとあらすじ!
  1. 日向国の米良の庄に漆とりの兄弟がいたが、漆はなかなか見つからず生活が楽ではなかった。
  2. ある日、兄が奇妙な淵の底にとても質のいい漆を見つけ、人が変わったようにぐうたら過ごすようになった。
  3. 弟もその淵を見つけたが、兄はそれが気に入らず、淵に木彫りの龍を沈めて弟を追い払おうとした。
  4. ところが、木彫りの龍は本物の龍に変身して兄を襲い、以後その淵からは誰も漆をとることができなくなった。

龍の淵のあらすじ!

むかしむかし。

日向国(ひゅうがのくに)の山奥に、米良の庄(めらのしょう)と呼ばれる寂しい山里がありました。

この山里には、漆(うるし)をとって暮らしている兄弟がいます。

 

「どうじゃ。お前のほうは、漆はとれたか?」

「兄者、さっぱりじゃ。もう漆をとりつくしてしまったようじゃ」

 

漆のとれる木には、限りがあります。

ある日も二人は、さっぱり漆を集められませんでした。

漆とりの生活は楽ではありません。

 

しかし、また別の日に、兄が漆をさがして山奥まで入ったときのことです。

兄は奇妙な淵(ふち)にでました。

そして、その淵に、手にしていた鉈(なた)を落としてしまいました。

 

「しまった!」

 

兄が慌てて鉈を追いかけ淵にもぐると、水の底になんだかとろりとしたものがあります。

それはとっても質のいい漆でした。

山中の漆が、長い年月をかけてこの淵に集まっていたのです。

 

「これだけの漆があれば、もう何も心配はいらん! わはははは!」

 

その日から、兄は人が変わったようになってしまいました。

以前は漆をとるため真面目にがんばっていたのに、ずっとぐうたら。

昨日までの兄は見る影もありません。

 

「兄者、そんな質のいい漆はどこにあるんじゃ」

「知らん」

「兄者、教えてくれ」

「知らん」

 

しかも兄は、弟には絶対に、淵にある漆のことを教えようとしませんでした。

 

そしてあくる日の朝、弟は兄の後をついていきました。

淵にもぐって漆をとる兄を物陰から見て、びっくりします。

 

「こんな場所にあったのか……、ようし。俺もあそこから漆をとろう」

 

兄と同じ質のいい漆を手にいれた弟は、兄と同じように怠け者になってしまいました。

 

さて、兄は、弟が淵を見つけたことが悔しくてたまりません。

 

「あの淵の漆はわしが見つけたものじゃ。たとえ弟でも譲りとうない」

 

ついに兄は、弟の足を淵から遠ざけるための悪だくみを考えつきました。

木彫りの龍を淵の底に沈めてやろうというのです。

 

「しめしめ。弟のやつ、腰を抜かして逃げるにちがいないわ」

 

ぼちゃん!

 

兄は、重たくて大きな木彫りの龍を淵に投げ入れました。

そこへ弟がやってきます。

 

「ぎゃああ!」

 

弟は、淵にもぐり木彫りの龍と目があった瞬間、すぐさま淵からあがって逃げ帰りました。

それを見て兄は大満足。

厄介払いのできた淵で、ゆっくり自分のための漆をとろうと水中にもぐりました。

 

すると、なにか空気が変です。

 

「はっ! な、なんじゃ、あれは」

 

兄が見たものは、ただの木彫りの彫刻だった龍が、ひとりでに動いている姿でした。

龍は兄に向かって吼えます。

 

ぐわああ!

 

「ひっ」

 

兄は大慌てで水面からあがりました。

でも、どうにも納得いきません。自分が投げ入れたのはただの木彫りの龍なのに、どうして動いたのでしょうか? 見間違えではないのでしょうか?

兄はどうしても気になり、もう一度淵のなかへ様子を見に行くことにしました。

 

ぐわおおおおおう!

 

しかしやはりそこには、生きた恐ろしい龍がいました。

しかも木彫りではなくなり、うろこをびっしりと生やした姿。

大きさも何十倍にもなって、とぐろを巻いています。

 

その龍が、本物の牙をむいて兄に襲いかかってきました!

 

「ぎゃあああ!」

 

兄は大きな悲鳴をあげて、淵から命がけで逃げていきました。

 

そのあとは、龍は淵の底へ沈んでいき、二度と姿を現さなかったそうです。

そしてその淵からは、誰も二度と漆をとることができなかったそうです。

 

おしまい。

龍の淵のまとめ、教訓と感想!

このお話からは、

「他人をおとしいれようとすると、何倍にもなって自分へ返ってくる」

というメッセージを読み取れるのではないでしょうか。

いいものを独り占めしたい気持ちもわかります。

だけどやっぱり、ひとをおどかしてまで自分だけが得をしようとするのは、龍が動き出して襲いかかってくるくらい良くないことなんだと思います。

また、このお話にはもうひとつメッセージがある気がします。

「成功は長く続かない」ということです。

兄弟がぐうたらして過ごせたのは、ほんの短い間だけでした。

何かがうまくいったからといって真面目に頑張ることを切り捨てると、状況が逆戻りしたときに困るのではないでしょうか?

あらすじクマ
あらすじクマ

龍って、こわいけど格好いいよね!

会ってみたいなあ。

絵本おばあちゃん
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