やろか水のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- 十四郎…水門の番をしていると自殺しようとしている女を助けた。
- 女…自殺しようとしていたところを十四郎に助けられる。亭主をやろか水で亡くしている。
- 木曽川の村の近くに毎年洪水に悩まされる小さな村があった。
- 十四郎が水門の番をしていると自殺しようとしている女を助けた。女の亭主はやろか水に飲みこまれて死んだという。
- 十四郎だが、もう一度川の様子を見に行くとやろうかやろうかという声が聞こえ、よこすならよこせと叫んでしまう。
- 村は濁流に飲み込まれ二人の行方はわからなかった。
やろか水のあらすじ!
昔、愛知県の木曽川の近くに小さな村があった。
雨期になるとしばしば洪水になった。
ある年も、何日も雨が続き、川の水かさは日に日に増していった。
女子供を非難させた男たちは毎日堤防の補強に明け暮れていた。
そんなある日、雨がやみ、つかの間の晴れ間に見舞われた。
男たちはほっと一息、各々の家へ休みに帰った。
ただ、水門の見張りをする十四郎という男だけ残って濁流渦巻く川を見守っていた。
そこへ女が現れて、水面に向かって月見草の花びらを流している。
十四郎は慌てて女を自分の家へ連れて帰って非難させることにした。
なぜあんなことをしていたのかという問いには答えず、女は月見草の花の話をする。
月見草が黄色く輝くのは自殺する人の足元を照らしてくれるから…。
十四郎は若くてきれいなお前が自殺なんて考えるなと怒った。
すると女は、あんたは優しいねえと儚げに笑うのだった。
十四郎が女房の話をすると、
女は仲の良い夫婦は嫌い、みんなみんな流れてしまえばいいと急に怒りだした。
女の亭主は3年前、水門の番をしていると
やろうか、やろうかという声が聞こえた。
勝気だった亭主がよこすならよこせと叫んだ瞬間
高波となり荒れ狂う水に飲みこまれて死んでしまったそうだ。
女は水の中に入り、死んだ亭主の元に行こうとする。
十四郎は必死で止めると、
女は十四郎に抱きつき、女房を家に帰して自分と一緒に暮らそうというのだった。
十四郎は女にほだされ、夜が明けたら二人で村から逃げ一緒に暮らそうと思うようになっていた。
川の水が強くなった音が聞こえ、
十四郎は女にここで待っていろと言い、門番に戻ろうとする。
しかし、女は自分の亭主が死んだときの声がするといって引き止める。
だが、十四郎はそれをふりきって水門の所に行った。
濁流は勢いを増し、うねりをあげて流れている。
やろうか、やろうかという恐ろしげな声に向かって、十四郎は力いっぱいさけんだ。
よこすなら、よこせー!!
水は猛烈な高波となって十四郎を飲み込んでしまった。
夜が明けてみると村は泥の海に飲み込まれてしまっていた。
やろか水に飲みこまれた十四郎と女の姿はどこにもなかった。
やろか水のまとめ、教訓と感想!
昔から木曽川は氾濫しやすく、人々はみな洪水を恐れていました。
このお話はそんな自然の驚異を後の世の人に伝えるために作られたお話です。
ごうごうと流れてくる濁流の音を聞くと、本当に恐ろしい声に聞こえますよね。
自然に太刀打ちできない人間の力の弱さや不安を感じることができます。
自然は怖い…このやろか水、あの水木しげる先生も妖怪画に描いているよ。