雪の女王のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- カイ…ゲルダとなかよしの少年。ある日、雪の女王に連れ去られてしまう。
- ゲルダ…カイとなかよしの少女。いなくなったカイを探しにいく。
- 雪の女王…残酷で、人間の心を凍らせ奴隷にしてしまう。
- あるところにカイとゲルダというなかよしのふたりがいたが、ある日カイは雪の女王に連れ去られてしまう。
- ゲルダはカイを探しに行き、氷の国にたどりつく。
- ゲルダはその国にいた老人から雪の女王についての話を聞き、雪の女王が昔は心やさしい少女であったことを知る。
- ゲルダは氷の城でカイを取り戻し、雪の女王にも昔のやさしい気持ちを思い出させることができた。
雪の女王のあらすじ!
昔、あるところに、カイという少年と、ゲルダという少女がいました。
ふたりは親友で、いつもいっしょに遊んでいました。
ある冬の日のこと。
カイのおばあさんが、ふたりに雪の女王の話をしてくれました。
「雪の女王は、とても残酷で、人々のこころを凍らせて奴隷にしてしまうのよ」
それを聞いてゲルダが縮みあがります。
「まあ。こわい。雪の女王から身を守らなくちゃ」
するとカイが笑いました。
「大丈夫さ。雪の女王は火で溶かしてしまおう。そうしたら、水の女王になるね、あっはっは」
そのときです。
窓の外で誰かの声がしました。
カイはふしぎに思って、窓を開けます。
「いたっ」
カイの目にするどい雪が入り込んできました。
そして心にも、とがった雪がささりました。
「カイ? 大丈夫?」
ゲルダが心配して駆け寄ると、カイは人が変わったようにゲルダを睨みます。
「うるさい! お前なんかあっちへ行け」
その日からずっと、カイはゲルダに冷たく当たりました。
そしてとうとう姿を消してしまったのです。
夏が来て、ゲルダは勇気をだしてカイを探しに行くことにしました。
「ゲルダ、これを持って行きなさい。きっと役に立つわ」
旅立つゲルダに、カイのおばあさんが手鏡を持たせてくれました。
ゲルダはその手鏡を握りしめて、ひとりでカイを探しに行きました。
ゲルダの行く先々にはいろんなことがありました。
けれど、ゲルダはくじけず、誘惑にも負けず、必死にカイを探し続けます。
やがて、ゲルダは氷の国へとたどり着きました。
カイは雪の女王に連れ去られてしまっていたのです。
氷の国には、雪で出来た家がたくさん並んでいます。
そのなかからひとりの老人が出てきました。
「おじょうさん。その鏡を雪の女王に見せなさい。そうすればお友達は助かる」
老人の言葉に、ゲルダはびっくりします。
「あなたは私が来るのを知っていたの?」
「ああ、そうじゃよ。しかし、雪の女王のことは殺さないでほしい。あの子は、かわいそうな子なのだ……」
老人はぽつりぽつりと話してくれました。
雪の女王は昔、とても優しくて明るい、おひさまのような女の子だったこと。
誰かが彼女のことを魔女だと言いふらして、彼女はみんなから仲間はずれにされたこと。
悲しんだ彼女の心はだんだんと冷えてしまい、自分をいじめた者みんなを氷づけにしたいと思い始めたこと。
そうしていつしか彼女は残酷な雪の女王となり、今は氷の城に住んで、人間を奴隷にしていること。
雪の女王に手鏡を見せれば、彼女はきっと昔を思い出すこと。
ゲルダは、話を聞き終えると氷の城へ向かいました。
「カイ!」
中へ入ると、そこにはカイがいます。
カイは相変わらず冷たい目をしていましたが、カイを抱きしめたゲルダの涙にふれると、あたたかい心を取り戻しました。
「ゲルダ、来てくれたのかい? もう会えないかと思った、本当にありがとう」
しかし、ふたりのそばに雪の女王があらわれます。
「おろかな人間め! 私の奴隷をうばうな!」
怒った雪の女王は、魔法をゲルダめがけて放とうとしました。
ゲルダはすかさず、手鏡を雪の女王に向けます。
「きゃあ!」
驚いた雪の女王が鏡のなかに見つけたのは、優しい心を持っていた頃の幼い自分でした。
「ゲルダ。ゲルダ。ありがとう、私は私が誰だったのかを思い出すことができました」
雪の女王の姿は、いつのまにか、かわいらしい少女に変わっていました。
そのあと、ゲルダとカイはふたりで家へ帰りました。
ふたりはふたたび、毎日なかよく遊んで過ごしたということです。
めでたし、めでたし。
雪の女王のまとめ、教訓と感想!
このお話の最初のほうでは、雪の女王はとても残酷だと言われていました。
しかし途中で、雪の女王は昔はとてもやさしい子だったのに、まわりの心ない言葉が原因で冷たい女王になってしまったことがわかります。
さて、悪者は一体だれでしょうか?
一見、「このひとが悪い!」と思うときでも、その裏にはいろんな理由や事情がある場合もあります。
いろんなひとの立場から物事を考えてみるのは、大事なことだと思います。
氷の城って、寒くないのかな? 一度行ってみたいなぁ!