かぐや姫のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- かぐや姫…竹のなかから見つかった、たいそううつくしいむすめ。
- 竹とりのおきな…かぐや姫を見つけたおじいさん。おばあさんと一緒にくらしている。
- 五人の男たち、みかど…かぐや姫に結婚を申し出る。
- 竹とりのおきなは、竹のなかからかぐや姫を見つけた。
- かぐや姫はうつくしく育ったが、だれとも結婚をしなかった。
- そんなとき、かぐや姫は竹とりのおきなたちにある秘密を打ち明けた。
- みんなが悲しむなか、かぐや姫は月へと帰ってしまった。
かぐや姫のあらすじ!
むかしむかし。
みやこのちかくに、“竹とりのおきな”とよばれるおじいさんが住んでいました。
おじいさんはまいにち山で竹をとり、ほそぼそとくらしています。
ある日のこと。
おじいさんは山で、ひかる竹をみつけました。
ふしぎに思って切ってみると、そのなかには、ちいさくてかわいい女の子がはいっていました。
おじいさんは、
「きっとこの子は、かみさまがさずけてくれたにちがいない」
と、家へつれてかえりました。
おばあさんもおおよろこび。
子どものいないふたりは、その女の子を“かぐや姫”と名づけ、
大切にそだてることに決めました。
それからもふしぎなことがつづきます。
竹のなかから、小判(こばん)がざくざく。
おじいさんはおかねもちになり、大きなやしきをたてました。
ちいさなかぐや姫もみるみるうちに成長し、
とてもうつくしいむすめになりました。
かぐや姫のうわさはとおくまで広まり、
たくさんの男のひとがかぐや姫と結婚するためやしきへ向かいます。
しかし、かぐや姫はすがたを見せません。
だれとも結婚する気はなかったのです。
それでもあきらめない、みぶんのたかい男たちが五人いました。
かぐや姫はしかたなく、五人にいいました。
「わたしが頼んだものを見つけてくれたら、その人の妻になりましょう」
かぐや姫は、むりなお願いをして、わざとあきらめさせるよう仕向けたかったのです。
ひとりめの石つくりのみこは、てんじくにあるという
おしゃかさまが使われた石のはちをたのまれました。
しかし、てんじくはあまりにもとおく、石つくりのみこは旅にでたふりをして、ちかくの寺から古びた石のはちを持ってかえりました。
「こちらがおしゃかさまの石のはちです」
かぐや姫は首をよこにふります。
「おしゃかさまのはちは、光っているのです。これは違うものです」
うそをみやぶられた石つくりのみこは、すごすごと帰っていきました。
ふたりめのくらもちのみこは、ほうらい山にあるという
玉のえだをたのまれました。
しかし、くらもちのみこはとおいほうらい山へ行ったように見せかけて、職人(しょくにん)ににせものを作らせました。
「こちらが玉のえだです」
かぐや姫は、すこし困ってしまいました。
玉のえだがとてもきれいで、本物だと思い、結婚をことわれなかったからです。
しかし、そのとき、職人たちがやってきました。
くらもちのみこがはらっていないお金を、とりにきたのです。
うそがばれたくらもちのみこは、ぱっと帰っていきました。
さんにんめのあべの右(う)だいじんは、からの国にあるという
火ねずみのかわごろもをたのまれました。
右だいじんはたいへんおかねもちなので、
からの国へ行く職人におつかいをしてもらい、かわごろもを手に入れました。
「こちらが火ねずみのかわごろもです」
かぐや姫は、
「ほんものなら、火にくべてももえないはずです」
と言って、かわごろもを火にかけました。
すると、かわごろもはめらめらもえてしまいました。
はじをかいた右だいじんは、とぼとぼと帰っていきました。
よにんめの、だいなごんおおとものみゆきは、りゅうの首にあるという
五色にひかる玉をたのまれました。
だいなごんは自分のちからでとりに行こうとふねにのりましたが、
あらしがやってきて、船はしずみかけてしまいます。
だいなごんはおもわず、
「もうりゅうの玉をとろうとはしないから、ゆるしてくれ!」
とさけびました。
命からがらみなとへかえっただいなごんは、
それきりかぐや姫のもとへむかいませんでした。
ごにんめのいそのかみちゅうなごんは、つばめの巣のなかにあるという
こやす貝をたのまれました。
しかし、ちゅうなごんは、こやす貝をとろうとして高いところからおち、
おおけがをしてしまいました。
こうして、けっきょく、だれもかぐや姫を妻にすることはできなかったのです。
ところがさいごに、かぐや姫のうわさはみかどにまでとどきました。
みかどは、「かぐや姫が余(よ)につかえるのなら、おじいさんをみぶんのたかい貴族(きぞく)にしよう」
と、つたえました。
かぐや姫は、おじいさんたちのそばをはなれたくない、と泣きだしてしまいます。
おじいさんは、みかどの申し出をことわりました。
あきらめきれないみかどはかぐや姫に会いにいき、
そのうつくしさを見てよけいに心をうばわれ、てがみをだしつづけるようになりました。
かぐや姫はていねいに返事をだしますが、こうつたえます。
「わたしは、じつは、この国のものではないのです。なので、結婚することができません……」
そのころから、かぐや姫は月をみあげては涙ぐむようになります。
おじいさんとおばあさんがわけをきいても答えません。
やがて、八月の十五夜(じゅうごや)がちかくなり、
やっとくちをひらきました。
「わたしは、月の国のものです。つぎの十五夜に、月からむかえがくることになりました」
かぐや姫はさめざめと泣いています。
「でも、わたしは、おじいさんおばあさんにお別れをするのが、かなしくて……」
おじいさんとおばあさんも、なげきかなしみました。
おじいさんはみかどに、つぎの十五夜、かぐや姫を守ってもらうようお願いをします。
そしてその日がやってきました。
やしきのまわりは、みかどが用意した兵士(へいし)でかこまれています。
かぐや姫はおくのへやにかくれました。
しかし、月からひかりにつつまれたむかえのものがおりてくると、
兵士は弓をうごかすことすらできません。
かぐや姫も、さそわれるように外へでてしまいましたが、
声をふりしぼって言いました。
「天のはごろもをきると、ひとのこころがわからなくなってしまいます。その前に、さいごに、おじいさんたちへおれいをいわせてください」
そして、かぐや姫はふたりにお礼をつげると、
月へのぼっていってしまいました。
おじいさんとおばあさんは、ただただ、そのすがたを見送っていました。
おしまい。
かぐや姫のまとめ、教訓と感想!
このお話の中では、たくさんの男のひとがでてきたりもしましたが、かぐや姫がそばにいたいと願ったのはいつもおじいさんとおばあさんでした。
かぐや姫は、月の国にかえるまでのかぎられた大事な時間を、すこしでもふたりと過ごしたいと考えたのではないでしょうか。
結婚の申し出という、おおきな提案をことわりつづけるのは簡単ではないかもしれません。
でも、かぐや姫は、おじいさんおばあさんという自分のほんとうに大事なものを知っていたから、勇気をもってことわりつづけることができたのかもしれませんね。
かぐや姫の話をよんだあとは、お月さまを見上げるのがもっとすきになるんだ!