花咲か爺さんのサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- おじいさん…やさしいおじいさん。シロが子犬のときにひろった。のちに花咲か爺さんとなる。
- シロ…おじいさんのことがだいすきな、しろい犬。
- いじわる夫婦(ふうふ)…シロをねらういじわるな夫婦。
- ある雨の日、やさしいおじいさんは迷子の子犬をひろい、シロと名づけた。
- シロは成長し、おじいさんに「ここほれわん」とおおばんこばんのありかを教えてくれた。
- しかし、そのことを知ったいじわる夫婦が、自分たちもおかねもちになりたいばかりにシロをころしてしまう。
- 結局、シロの灰はかれた木に花をさかせるふしぎな灰となり、やさしいおじいさんは花咲か爺さんとして有名になった。
花咲か爺さんのあらすじ!
ある雨の日のことです。
迷子の白い子犬が、ずぶぬれになって、
おじいさんの家のまえへたどりつきました。
それを見つけたこころやさしいおじいさんとおばあさんは、びっくり。
かぜをひいてしまいそうな子犬をたすけ、
一緒に暮らすことにしました。
シロ、と名づけられたその子犬は、すくすくと大きくなりました。
「わん、わん!」
ある日、シロはまるでどこかへ連れていこうとするように、おじいさんをよびます。
ふしぎにおもっておじいさんがついていくと、
シロはじめんをぽんぽん、としながら鳴きました。
「ここほれわん! ここほれわん!」
おじいさんがそのじめんをほってみると、なんと、おおばんこばんがざくざく。
おじいさんはたまげて、家までもちかえり、おばあさんに話しました。
「おばあさん、シロがおおばんこばんのありかを教えてくれたのじゃ」
「まあ! シロはすごいですね」
「うむ、シロはすごいのう。おかねは使いきれないから、みんなにわけよう」
おじいさんとおばあさんはシロをなでながら、
にっこり笑いました。
そのようすを家のまどから、いじわる夫婦のおばあさんが見ています。
「じいさんや、じいさんや! となりの犬はおたからのありかを見つけられるそうじゃ!」
いじわるじいさんは、それを聞いて、
なんとしてもシロをつかいたい! と考えました。
つぎの日、いじわるじいさんは、畑仕事をてつだってもらうからとうそをつき、
シロをかりました。
やさしいおじいさんは何にもうたがわず見送ります。
いじわるじいさんはシロにおかねを見つけさせようと、
乱暴(らんぼう)に引きずりました。
シロがこまってしまって立ちどまります。
いじわるじいさんがかんちがいをして、そこをほると、
じめんからごみがたくさん出てきました。
「おまえ! だましたな!」
いじわるじいさんがシロをぶつと、シロは死んでしまいました。
そうとは知らず、やさしいおじいさんがシロをむかえにいきます。
「こんにちは。シロをひきとりにきましたよ」
しかし、いじわるおじいさんは適当に言いました。
「ああ、シロは急に病気になって死んでしまった。シロの墓(はか)にはえだをさしておいたから、わかるぞ」
やさしいおじいさんは、悲しみにくれながらシロの墓をさがしにいきました。
見つけたそこで、泣きくずれてしまいます。
「シロ、シロ……」
すると、えだがぐんと成長し、まるたになりました。
おじいさんはびっくりしましたが、まるたをもちかえります。
そしてうすを作りました。
「おばあさんや、これでもちをついたら、シロがもどった気分になるじゃろうか……」
そう言って、おじいさんとおばあさんは、そのうすでおもちをつきます。
すると、おもちのかわりに、またまたおおばんこばんがあふれてきます。
そのようすを、またいじわる夫婦のばあさんが見ていました。
いじわるじいさんはそれを聞いて、今度はうすをかりにいきます。
やさしいおじいさんは、またうたがわずにかしてしまいました。
「よぉし、こんどこそおおがねもちだ!」
しかし、いじわる夫婦がおもちをつこうとすると、ふたたびごみがあふれてきました。
いじわるじいさんはかんかんです。
うすを燃やしてしまいました。
そんなことは知らずに、やさしいおじいさんはうすをひきとりにきます。
「こんにちは。うすを返していただけますか」
とことが、いじわるじいさんはまた適当に言いました。
「ああ。うすならこわれたので、もやしてしもうたよ」
やさしいおじいさんはまた悲しみにくれて、うすの灰(はい)をだきしめます。
「うう、シロ、わしはまたおまえにかわいそうなことをしてしまった……」
おじいさんが泣いていると、灰がかぜにのって、かれた木にふりかかりました。
さらさらさら……。
すると、どうでしょう。
かれていた木のそこらじゅうに、花がさいたではありませんか!
その花はとてもかわいらしく、シロのようです。
おじいさんは、とってもうれしいきもちになり、たくさんの花をさかせました。
そのうち、花をさかせる花咲か爺さんの話は、おとのさまの耳にもとどきました。
おとのさまは花をたいそう気に入り、おじいさんにたからものをたくさんあたえました。
それを知ったいじわる夫婦は、自分たちもおかねのために花をさかせようとしましたが、
ひとつもさかせることはできません。
やさしいおじいさんとおばあさんは、花にシロをかんじながら、しあわせにくらしましたとさ。
おしまい。
花咲か爺さんのまとめ、教訓と感想!
やさしいおじいさんは、雨にぬれたシロをたすけたとき、どんなきもちだったでしょうか。
シロをおかねもうけのためにたすけようとしたのでしょうか。
まったく、そんなことはないと思います。
おじいさんはシロをただただかわいがって育てました。
しかし、いじわるじいさんたちはどうでしょうか?
シロや、うすを、おかねのために使おうとしました。
ひょっとすると、その考えはシロにつたわってしまったのではないでしょうか。
自分の利益のためだけにまわりをつかおうとすると、いいことは起きない。
この話は、そう教えてくれている気がします。
かれた木に花をさかせられるなんて、とってもすてきだね!
なんだかお花がみたくなったなあ。
きみはどんなお花がすき?