さるかに合戦のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- さる…わがままで、いじわる。かにをだまして怪我(けが)をさせる。
- かに…とってもやさしい。柿(かき)を育てた。さるに怪我をさせられてしまう。
- 子がに・はち・くり・うす・牛のふん…みんなでさるをこらしめにいく。
- かにがおにぎりを拾うと、はらぺこのさるがやってきて柿のたねとおにぎりを交換(こうかん)した。
- かにが持ってかえった柿が育ち、たくさん実がなるが、さるはかにをだまして柿をひとりじめしてしまう。
- ひどいことをされたかにを不憫(ふびん)におもって、はち達がさるをこらしめにいく。
- 反省(はんせい)をしたさるは、かにと仲直りをして、いじわるをしなくなる。
さるかに合戦のあらすじ!
むかしむかし。
かにが河原(かわら)をあるいていると、おにぎりをみつけました。
「わぁい! おにぎりだ!」
かにはおおよろこび。
そこに、はらぺこのさるが通りかかりました。
さるがもっているのは柿(かき)のたねだけで、おなかがぐうぐうなっています。
さるは、「そうだ、かにからおにぎりをとってやろう」とかんがえました。
「かにさん、この柿のたねとおにぎりをとりかえっこしないかい?」
さるがとってもやさしい声ではなしかけます。
「このたねを植えると、たくさんの柿ができるから、おにぎりひとつよりもずっといいんだよ」
するとかには、こころよくうなずきました。
「なるほど! それなら、とりかえっこしましょう!」
おにぎりをてにいれると、さるは大満足(だいまんぞく)。
ぱくりと食べてしまいました。
かには、柿のたねをもってかえりました。
さっそく地面にうえると、みずをあげながら歌をうたいます。
「はーやく芽(め)をだせ柿のたね。ださなきゃはさみできっちゃうぞ」
柿のたねは、きられたくないので、すぐに芽(め)をだしました。
次の日もかには歌を歌いました。
「はーやくのびろよ柿のたね、じゃないとはさみできっちゃうぞ」
柿のたねは、たまらずにどんどんと成長(せいちょう)しました。
そしてみるみるうちに木になり、花をさかせ、
ついに花が柿の実(み)になりました。
柿の木には、いまや、おいしそうな実がいっぱいです!
かには実をとろうとしましたが、どうしてもとどきませんでした。
そこにまた、あのさるが通りかかります。
さるは、いっぱいなっている柿をみてびっくり。
まさかこんなふうになるとは思っていなかったので、いらいらとしました。
「やあ、かにさん! とどかないなら、おいらがかわりに柿をとってやろうか?」
さるはかにに声をかけます。
「ありがとう! おねがいします」
かにがにっこり笑うと、さるは木のうえにのぼっていきました。
しかし、柿をかににわたすなんてまっかなウソ。
さるはひとりで柿をむしゃむしゃと食べはじめてしまいます。
「おさるさん、柿をくださいよぅ!」
かにがこまって下からさけぶと、さるはおこりました。
「うるさい!」
そしてさるは、まだあおくてかたい柿を、かににむかってなげつけたのです!
「きゃあ!」
かにはこうらにひびがはいり、気絶してしまいました。
すると、気をうしなっているかにのなかから、たくさんの子どものかにがでてきました。
子がには、気絶しているおかあさんにびっくり!
よいしょ、よいしょ、とおうちにはこびます。
そのあいだに、さるはのこった柿をぜんぶうばってじぶんの家へかえってしまいました。
次の日、かにの家へ、ともだちのはちが遊びにきました。
「かにさーん! 遊びに来たよ!」
でも、返事はありません。かわりに、ぐす、ぐす、という声がきこえます。
はちが家のなかをのぞいてみると、かにがくるしそうにお布団(ふとん)のなかにいて、
そのまわりで子がにたちが泣いていました。
さるがしたことを聞いたはちは、もうカンカンです。
「よぉし、さるをぜったいにこらしめてやる!」
はちと子がにたちは、さるの家へむかいはじめました。
すると前からくりがやってきます。
くりにさるのことを話すと、くりもカンカンにおこりました。
「なんてひどいさるだ! ぼくもいっしょにいくよ!」
今度は、前からおおきなうすがやってきます。
うすにさるのことを話すと、うすもカンカンにおこりました。
「なんてひどいさるじゃ! わしもいっしょにいくぞ!」
さらに、前から牛のふんがやってきます。
ふんもカンカンにおこって、なかまになりました。
「なんてひどいさる! わたしもごいっしょします!」
しばらくして、みんなはさるの家へとつきました。
でも、さるは留守(るす)のようです。
「これはちょうどいい!」
はち・くり・うす・牛のふん、そして子がにたちは
そうだんをして作戦(さくせん)をきめました。
そして、みんなそれぞれ、ちがう場所(ばしょ)にかくれました。
さあ、さるが帰ってきたら作戦スタートです!
そんなことをしらないさるが、家のなかへともどってきました。
のんきに、囲炉裏(いろり)の前にすわります。
まきが赤くもえはじめた、そのとき!
灰(はい)のなかから、くりがとびだしました!
「いてててて!!」
くりは、さるの顔にビュン! と当たりました!
さるは、いたくてあつくてたまりません。
水でひやそうと、水がめをのふたをあけました。
すると今度は、
ふたのうらにかくれていたはちがとびだして、
さるの目のうえをぶすりとさしました!
「い、いてー!」
もうさるはなにがなんだかわからずに、家のそとへ
にげだそうとしました。
でも、げんかんをでたところに牛のふんがいたので、
すってんころりんと転んでしまいます!
「ぎゃー!」
そこへ、屋根(やね)のうえでまっていたうすが
さるのせなかの上へ、どしーーーーん! とおちてきました!
「うわぁー―っ」
重くて重くて、さるが目をまわしていると、つぎはからだが
チクチクといたみはじめました!
そうです。子がにたちが、はさみでつついていたのです!
「おかあさんのかたきだ!」
チクチク、チクチク!
さるがつらそうに叫んでいると、うすがいいました。
「じぶんがどれだけひどいことをしたか、かんがえてみろ!」
はちもいいます。
「おい、さる! もうわるいことをしないと約束(やくそく)するか!?」
さるは泣きながらこたえました。
「や、やくそくする! やくそくする!」
そのあと、さるは、はちたちに連れられてかにのおみまいへ行きました。
さるがきちんとあやまったので、かにはゆるすことにしました。
しばらくするとかには元気になり、子がにたちもとってもうれしそう。
あの柿の木にももういちどたくさんの実がなりました。
さて、こんどこそ、さるはちゃんと柿をかにへ取ってあげて、
みんなでなかよくいっしょに食べたそうです。
おしまい。
さるかに合戦のまとめ、教訓と感想!
さるのしたことは、もっともっとつらいものになってさる自身へ返っていきました。
よくないことをすると、かにのように誰かがきずつくかもしれないし、はちやうすのように怒るひともあらわれます。
自分のわがままでわるいことをすると
結局はこまったことになってしまうよ
というお話かもしれませんね。
また、このお話のすごいところは、かにがさるのことをゆるしたところだと思います。
じぶんを傷つけた相手をゆるすのはとてもむずかしいことです。
さるはかにの素晴らしい対応に対して
きっと、ありがとう、と言ったことと思います。
食べものはなげちゃダメだよ!
だいじに食べようね!