ねずみのすもうのサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- おじいさん…貧しいが心が優しい。ねずみ達がすもうをとっているのを発見し、おもちをついてあげる。
- おばあさん…二匹にまわしを縫ってあげる。
- やせねずみ…おじいさんの家に住んでいるねずみ。
- 太ったねずみ…金持ちの家に住んでいるねずみ。
- 山で二匹のねずみがすもうをとっているのを、おじいさんが偶然見つける。ちっとも勝てないやせねずみは、おじいさんの所に住んでいるねずみだった。
- おじいさんはおばあさんに話し、やせねずみが勝てるように、おもちを作ってあげる。やせねずみは、おもちのおかげで、すもうに勝つことが出来た!
- うらやましがる太ったねずみを、やせねずみは家に招待する。それを聞いたおじいさんはおもちをつき、おばあさんはまわしを縫って太ったねずみを歓迎する。
- いつも優しいおじいさんとおばあさんに、太ったねずみは、いつしか小判を持ってくるようになった。
ねずみのすもうのあらすじ!
むか~し、むかし。
貧しいけれど優しい、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日おじいさんが山へ出かけると、
どこからか、すもうをとっている音が聞こえてきました。
おじいさんが不思議に思って木の陰からのぞいてみると…
なんと、2匹のねずみが、すもうをとっているではありませんか!
「またボクの勝ちだ!」
と、丸々と太ったねずみ。
「いたたたた…」
負けてばかりいる小さなやせねずみをよく見ると…
「おや、あのやせっぽちは、うちに住んでいるねずみじゃないか」
おじいさんは、びっくり仰天。
家に帰ると、さっそくおじいさんは、おばあさんに、ねずみがすもうをしていたことを話しました。
「あぁ、可哀想なやせねずみさん。なんとかして勝たせてあげたいわ。」
2人は、しばらく考えましたが
「そうだ!」
おばあさんが、ぽん、とひらめきました。
「おもちを食べさせてあげたらどうかしら」
それはいい考えだ、と、2人はさっそくおもちをついてあげました。
美味しそうなおもちが出来上がると、やせねずみが住んでいる壁の前に置いてあげました。
しばらくして、穴から出てきたやせねずみは、嬉しそうに、おもちをぱくぱく食べました。
次の日。
おじいさんが山へ行くと、二匹のねずみは、またすもうをとっていました。
「そりゃぁ!
やったぁ! またボクの勝ちだぁ♪」
と、やせねずみ。
「ねぇ。君はどうして強くなったんだい?」
太ったねずみは不思議そうに首をかしげました。
やせねずみは、昨日、おもちをついてもらったことを話しました。
「いいなぁ。うちはとってもお金持ちだけど、おもちをついてもらったことなんてないよ。」
「それじゃぁ、今日はボクの分を分けてあげるよ」
おじいさんは木の陰から、二匹の会話を楽しく聞いていました。
家に帰ると、おじいさんはおばあさんに、今日の出来事を話しました。
「今日は二匹に、美味しいおもちを食べさせてあげよう」
おじいさんは二匹分のおもちをつき、おばあさんは小さな赤いまわしを2つ縫いました。
その日の夜。
太ったねずみはやせねずみの家にやってきました。
おじいさんが穴の前におもちとまわしを置いてあげると、二匹のねずみは、それを見つけて大喜び。
「もぐもぐ… おもちは美味しいなぁ」
と、太ったねずみ。
「このあとは、まわしをつけて、すもう勝負だ!」
と、やせねずみ。
おじいさんとおばあさんは二匹の様子を見て、にっこり微笑み合いました。
おなかいっぱいおもちを食べた二匹のねずみは、すもう勝負を始めました。
今度は、なかなか勝負がつきません。
「おお、いい勝負だ」
「二匹とも、がんばれ、がんばれ♪」
おじいさんとおばあさんが応援する中、すもうは朝まで続きました。
それからも、おじいさんとおばあさんは、二匹におもちを食べさせてあげました。
いつからか、太ったねずみは、優しくしてくれるおじいさんとおばあさんに小判を持ってくるようになり、おかげで、おじいさんとおばあさんは豊かに暮らせるようになったとさ。
ねずみのすもうのまとめ、教訓と感想!
現代人にとって、ねずみはゴキブリと同じくらい忌み嫌われているものですが、なぜか昔話に出てくるねずみさんは、とっても可愛いねずみさんが多いですよね。
物語の中だから、なのか、はたまた、当時の日本人は、そんなに嫌な目でねずみを見ていなかったからなのか…
真相は分かりませんが、『ねずみのすもう』に出てくる二匹のねずみさんも、とっても可愛いです。
自分の家のねずみを、家族のように大切にし、なんとか勝たせてあげようとする、おじいさんとおばあさんの姿が、とても微笑ましいですね。
それにしても、たった一日おもちを食べただけで、いきなりぽんぽん勝てるようになる、なんて、驚きです。
でも、つきたてのおもちって、びよ~んと、よく伸びて、それくらい、とぉっても美味しいんですよね。
この物語を見ていたら、思わず、つぶあんがたっぷり入った大福が食べたくなっちゃいました。
おじいさんとおばあさんも優しいですが、やせねずみも、負けず劣らず優しいですね。
普段、どんなに頑張っても勝てない相手に、ようやく勝てるようになったら…
あなただったら、その理由を相手に教えてあげることができますか?
教えてしまったら、また勝てない日々に戻ってしまうかもしれない…
もし私だったら、そんな気持ちが湧いて、思わず、秘密にしたくなってしまうかもしれません。
太ったねずみにも、大切なおもちを分けてあげることが出来るやせねずみは、すごいと思いました。
おじいさんとおばあさんの優しさに触れ、太ったねずみは恩返しに小判を持ってくるようになる。
人間とねずみの気持ちの交流が、とてもあたたかくて、ほのぼのとした昔話です。
太ったねずみさん、一体どこから小判を持ってきてるのかな…?