おさん狐のサクッとあらすじ!
まずは、登場人物と簡単なあらすじを見ておこう♪
- おさん狐…古狐。美女に化けるのが上手い。
- 旅の行商の男…おさん狐と酒を飲みながら一晩中語り合う。
- 昔、河原におさん狐という美女に化けるのが上手い狐がおり、男たちは夜な夜な会いに行った。
- ある晩、旅の行商の男が通りがかり、若い娘に化けたおさん狐に出会った。
- 2人は人と狐の垣根を越え一晩中酒を飲み語り明かした。
- あくる朝、男はまた旅に出て、おさん狐はそれからも男相手に打ち明け話を聞いたりした。
おさん狐のあらすじ!
昔々、豊後の国の小野瀬の河原に若い美女が現われるといううわさがあった。
男たちはそのうわさを確かめようと毎晩多く現われる。
実は、若い美女は「おさん狐」と呼ばれる年老いた狐が化けた姿だった。
しかし、それはそれは上手に化けるので、
男たちは化け狐と分かっていながら夜な夜な河原にやってくるのだった。
ある夜、1人の旅の男が現われた。
おさん狐はさっそく若い娘に化けて旅の行商の男に声をかけた。
旅の行商人は、すぐうわさのおさん狐だと気付いたが、そのまま娘について行った。
男は誘われるままおさん狐の家に入っていった。
狐や狸の出す酒は得体のしれないものと決まっているが、
男も剛の入った旅の者でためらいもなくそれを飲み干した。
そのうちに
「娘さんあんたも一つどうぞ」
と、さしつさされつ酔いが回りながら夜も更けていった。
「娘さん、上手く化けているが、じつはかなりの年増と見た。それも狐だろう。」
といって笑う男。
図星をさされた狐もこれまた笑いながら
次は色っぽい芸者に化けて人と狐の垣根を越えて飲み明かそうと言う。
そして、おさん狐は自分の若いころのせつない恋の話をしゃべりだした。
そうして酒を飲みながら一晩中語り合い夜が明け、また行商の男は旅立っていった。
さびしい秋風が吹く朝だった。
それからもおさん狐は河原に来る男を相手に人と狐の垣根を越え、
打ち明け話を聞いてやったり、聞かせてやったりしていたという。
おさん狐のまとめ、教訓と感想!
狐といえば、人間を化けてだましたり
いじわるしたりして懲らしめられるというお話が多いのですが、
このお話は人情味がある狐のストーリーとなっています。
旅の男と酒を飲みかわしながら
自分の若い時の恋を語るという酸いも甘いもかみ分けた大人の男女のお話です。
おさん狐が男たちに大人気なのもわかるような気がするね!